送信ボタンを押したのは俺のほうから
帰り道、駅のホームでチャットの履歴をさかのぼりました。俺の返信には、「参考までに」「前職では」「他社の事例では」という言葉が並んでいました。指示を受け入れる前に、必ず自分の立場を差し込んでいたのです。翌朝、俺はメッセージを送りました。「先日の件、私の方から言い方を改めたい部分があります。少しお時間いただけますか」会議室で向かい合った彼女に、俺は家族の事情で転職したことと、新しい職場に順応できていない焦りを話しました。彼女は途中で口を挟まず、最後まで聞いてくれました。
そして...
今も入力欄に「参考までに」と打つことがあります。ただ、送る前に、そのあとへ何を書きたいのかを読み返すようになりました。
前職の事例を出すときも、まず今の職場の方法を試し、その結果と一緒に提案しています。会議の最後まで開いたままだった資料は、抵抗するためではなく、案を比べるために使うものへ変わりました。
(30代男性・Web制作会社勤務)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
