2026シーズンもいよいよ後半戦に突入! が、その前に辛口評論で知られる江本孟紀氏に7月に起こった出来事を振り返ってもらおう。今月の「エモやんの月刊野球放談」も言いたい放題言ってます。〈前後編の前編〉
戸郷離脱に「肉離れは野球選手の恥」
――7月30日の折り返し時点(以下、同)でセリーグは阪神と巨人が同率で首位に立っています。
江本孟紀(以下、同) シーズン開始当初の巨人はひょっとしたらBクラスかもしれんぞ……ってくらい状態がよくなかったのに、よく持ち直したよね。阿部(慎之助前監督)がいなくなったおかげかな(笑)。
――好調巨人で目立つ選手は?
やっぱり浦田(俊輔)だね。キャンプのときにも担当記者が「唯一期待できる」と、ずっと俺に勧めてた。ブンブン振り回すやつばかりの今の選手のなかで、たしかに当てるのがうまい。
―― 一方で、完全復活した戸郷翔征投手が7月7日の試合で打者走者として一塁を駆け抜けた後に故障。左太もも裏の肉離れで離脱してしまいました。
プロ野球選手にとって肉離れは恥。とくにピッチャーで肉離れなんてありえない。やっぱり練習が不足してるよ。走り込みと投げ込みの両方をやっておけば、肉離れなんて起きないんだから。
最近のやつは筋肉を機械でつくるからすぐ肉離れを起こす。俺らの頃はトレーニングルームは故障して走り込みができないやつが入るところだったんだよ。言ったらリハビリルームだわね。それがいつの間にか筋トレが主体になっちゃって。
それで昔より故障者が減った? 増えてるでしょ。走るほうが科学的で、ウエイトのほうが非科学的。みんな勘違いしとる。
――そして、巨人のスター、坂本勇人選手。今季はここまで45試合の出場で打率.150でベンチを温めることも多い厳しいシーズンですが、2度のサヨナラ弾を放つなどここ一番で勝負強さを発揮しています。これはどう評価したらいいのでしょうか?
7月17日のサヨナラ3ラン(対中日)でラジオ解説やってたけど、打ちそうな雰囲気があったよね。
いいところで打ってるのも阿部退任効果だと思う。阿部と坂本は現役時代一緒に戦った仲間だから監督への思い入れが強くて、「俺がなんとかしなくちゃいけない」ってプレッシャーで肩に力が入ってた。年を取ってダメになってきたやつはどうしても力むもんだ。
それが監督が代わって力がいい感じに抜けたんじゃないのかね。かといって、レギュラーには厳しいけど。
藤浪が復活するために必要なこと
――逆に阪神は圧倒的な戦力を誇りながら突き放せないでいます。
リリーフで取りこぼしてる試合が目立つのは、去年あれだけ投げた石井(大智)がいないのが大きい。髙橋(遥人)が勝ちまくってるのが不幸中の幸い。ケガの多い髙橋がこれだけ勝てるとはシーズン前は計算できないだろうから。
――前半戦をかき回したヤクルトが大失速。ついに借金生活となりました。
前にも言ったけど、ヤクルトが勝ててたのは下馬評があまりに低くて選手たちが気楽にできてたから。優勝を意識しちゃうとまぁこうなるよね。
そもそもなんで勝ててたのかが不思議だっただけで、今のチーム状態がどこか悪くなったわけじゃない。ただ、後を追うDeNAも去年の外国人3人(ジャクソン、ケイ、バウアー)で投げた400イニングの穴はなかなか埋められないから、面白いAクラス争いになるかもしれん。
――DeNAといえば、藤浪晋太郎投手が7月11日に今季初登板、7月22日にも先発しましたが、いまだ未勝利です。藤浪投手はいったい何がいけないのでしょうか?
この前の阪神戦(22日)なんて、右打者は大山(悠輔)くらいしか踏み込めてなかった。あれだけ威勢のいい森下(翔太)ですら腰が引けてたよ。
藤浪の最大の欠点は、フォームの中で力の抜くべきところと入れるべきところが逆になっちゃってること。例えばテイクバックに力感はいらないのに、すごく力が入ってる。
3年目くらいまではたまたまバランスがよかったけど、今はバラバラ。頭で考えすぎてちょっとイップスになっちゃってるよね。
――どうしたらかつての輝きを取り戻せる?
もうね、よほどのことがない限り復活するってことはないと思うけど、俺が監督だったらフリーバッティングに投げさせるよ。
――いわゆる“バッピ”ですか?
それで全部ホームランを打たせる、というかホームランを打たれる球を投げる練習をする。ピッチングってちょっとでも力の入れどころを間違えるとストライクが入らないから、フリーバッティングに毎日最低でも30~40分とか投げさせて、ストライクを投げる感覚を体に思い出させればいい。
ブルペンで練習するだけで感覚を掴めるやつもいるけど、藤浪に関してはコントロールを矯正する方法はフリーバッティングしかないよ。DeNAお得意のタブレットで回転軸が…なんてやってても治らないって。
今はライブBPで「〇人に投げて△人打ち取った」みたいにバカなマスコミが報じるけど、本来フリーバッティングっていうのは、いかにバッターに打たせてストライクを投げる感覚を養うかって練習なんだから。
――矢野雅哉選手と前川誠太選手に家宅捜索が入るなど、広島は“ゾンビたばこ”騒動が波及していいます。
広島は髙橋慶彦がいた時代のような猛練習をしたほうがいいよ。そうすればゾンビたばこなんて吸う暇がなくなるんだから。

