連載3回目で取り上げるのは、夏の甲子園における大会通算記録の頂点に立つ中京大中京(愛知)だ。最多優勝回数7回、最多勝利数79勝という、いずれも歴代1位の記録を誇る、まさに「夏の甲子園の歴史そのもの」と呼べる名門校なのである。
2位の広島商業(広島)の「6回」、3位の松山商(愛媛)・大阪桐蔭(大阪)の「5回」を見ても、7回という数字がいかに突出しているかがわかる。創部から90年以上にわたり、時代が変わっても勝ち続けてきた継続力こそが、この記録の最大の凄みといえるだろう。
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史上唯一の夏3連覇という金字塔
中京大中京の強さを語るうえで欠かせないのが、1931年(当時は中京商)から1933年にかけて成し遂げた夏の大会3連覇だ。これは現在も史上唯一の達成記録であり、90年以上経った今も他校は一つとして到達できていない。
学校創立からまだ間もない時期に甲子園に初出場した中京商は、その初出場でいきなり頂点に立つという衝撃的なデビューを果たしている。1931年の夏初出場でいきなり優勝を飾ると、翌1932年も制覇。主力の多くが卒業した1933年も、エース・吉田正男(明大-藤倉電線)は健在で、捕手・野口明(明大-東京セネタースほか)という鉄壁のバッテリーを擁し、3連覇をもぎ取った。
中でも伝説として語り継がれているのが、1933年(第19回大会)準決勝の明石中(兵庫)戦だ。試合は延長25回という、今では考えられない死闘に発展。吉田が投げ抜き、バッテリーが粘りに粘って勝ち切った。
この死闘を乗り越えた中京商は、勢いそのままに決勝も制し、史上初の3連覇を達成。この記録への挑戦は、2006年の駒大苫小牧(北海道・夏2連覇から3連覇を目指したが決勝で早稲田実業に敗れた)など後年何度も試みられたが、いずれも届かなかった。
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積み重ねた79勝という最多記録
最多優勝回数7回の裏には、地道に積み上げてきた最多勝利数79勝という記録もある。1勝の重みが違う夏の甲子園で、この数字を叩き出せた背景には、1930年代の3連覇に加え、1937年(4度目)、1954年、1966年、そして平成に入ってからの2009年と、長い歴史を通じて絶えず優勝争いに加わり続けてきた継続力がある。
校名は中京商から中京、中京大中京と変わったが、グラウンドに立つ選手たちの「打倒・古豪」への気持ちは脈々と受け継がれてきた。優勝した7つの大会だけでなく、優勝に至らなかった大会でも勝ち星を積み重ね続けたからこそ、79勝という誰も到達できていない数字にたどり着いたのだ。
