「食品ロスを減らしましょう」と聞くと、我慢や節約をイメージする人も多いかもしれません。しかし、その第一歩が、おいしいスイーツを味わうことだったらどうでしょうか。
大阪府泉大津市で開催された「エコレシピNo.1グランプリ」は、食品ロス削減を身近な「食」を通して日常生活での実践につなげたいといった発想から生まれた取り組みです。2回目となる今年度は「製菓」をテーマに大阪調理製菓専門学校の学生たちが、普段は捨てられてしまうこともある食材を活用したスイーツを考案し、市内の中学生が実際に試食して審査しました。
ただお菓子の出来栄えを競うだけではなく、「もったいない」を「おいしい」に変える工夫や、そのアイデアを次の世代へ伝えることも、このイベントの大切なテーマです。学生たちの自由な発想と、中学生の率直な感想が交わることで、食品ロスという身近な課題を楽しみながら考える場となりました。
この記事では、当日の様子や受賞作品、参加者の声とともに、泉大津市がこの取り組みに込めた思いや、未来へつながる展開をご紹介します。
「もったいない」を「おいしい」に変える――食品ロス削減を身近に伝える泉大津市の取り組み

食品ロスを減らすための取り組みというと、「食べ残しをしない」「必要以上に買わない」といった我慢や節約を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
泉大津市が開催した「エコレシピNo.1グランプリ」は、そんなイメージとは少し違います。単に出来栄えを競うイベントではなく、専門学生が、食品ロス削減について学び、食材を無駄なく使う工夫をレシピに反映し、その成果を中学生や事業者、市民が実際に味わいながら評価することで、食品ロス削減を身近な行動として考えるきっかけにする取組です。
今年のテーマに選ばれたのは「製菓」です。スイーツは子どもから大人まで親しみやすく、多くの人が自然と興味を持ちやすい分野です。一方で、製菓の現場では果物の皮や規格外の食材、余った材料など、工夫次第でまだ活用できる食材が少なくありません。

そこで今回のグランプリでは、大阪調理製菓専門学校の学生たちが、普段なら捨てられてしまうこともある食材を生かしたオリジナルスイーツを考案しました。おいしさはもちろん、食材を最後まで使い切る工夫や、家庭でも取り入れやすいアイデアを盛り込みながら、「もったいない」を新たな価値へと変えるレシピづくりに挑戦しています。将来、食の現場を担う学生たちが、材料を無駄なく使う視点を学び、それを実践する経験は、これからの食品ロス削減にもつながる大切な一歩といえるでしょう。
食品ロスという社会課題を、難しい言葉ではなく「おいしい」「作ってみたい」という気持ちから身近に感じてもらう――。そんな泉大津市の想いが、このイベントには込められていました。
中学生が審査員に――学生たちのアイデアが集まったグランプリ当日

「エコレシピNo.1グランプリ」は、令和8年7月9日に大阪調理製菓専門学校で開催されました。当日は泉大津市長による開会あいさつから始まり、専門学校の学生によるプレゼンテーション、試食審査、表彰式、記念撮影まで、約2時間にわたってプログラムが進行しました。食品ロス削減というテーマを軸にしながらも、会場では専門学生の学生たちが、スイーツに込めたアイデアや食品ロス削減への工夫を発表しました。
特徴は、専門学校の学生が事前講座で食品ロスについて学び、その視点を取り入れてオリジナルスイーツを制作したことです。完成した作品は7チームが発表し、それぞれが使用した食材や工夫したポイント、レシピに込めた想いをプレゼンテーションしました。見た目や味だけでなく、「食材をどう無駄なく活用したのか」まで含めて評価される点は、このグランプリならではの魅力といえるでしょう。
もう一つ印象的なのが、審査員の顔ぶれです。市内の中学生22人に加え、市長や学校関係者、市内飲食店の経営者、流通事業者、市民など11人の特別審査委員が参加し、味や見た目だけでなく、食材を無駄なく使う工夫や家庭での再現性、食品ロス削減につながる視点など、多角的な視点から各作品を審査しました。実際に試食した中学生からは、「どれもおいしく、さまざまな工夫がされていると思いました」「それぞれのスイーツに個性があって、残さずすべてを食べられました」「野菜を使ったスイーツは合わないと思っていましたが、おいしく食べることができた」といった声も寄せられています。
料理をつくる学生と、それを味わい評価する中学生。それぞれが食品ロスについて考えながら参加することで、単なる料理コンテストではなく、「学び」と「体験」が自然に結び付いたイベントだったことがうかがえます。
