「すぐ動けるワタシ」になるための5つの心理テクニック
ここからは、行動を起こしやすくするための具体的で効果的なテクニックをご紹介します。どれも明日から(あるいは今この瞬間から)試せるものばかりなので、ぜひ実践してくださいね。
- とりあえず「5分だけ」やってみる(作業興奮の利用)
- タスクを細切れにして「超・小分け」にする(スモールステップ)
- 始める時間を「あらかじめ固定」する(if-thenプランニング)
- 完成度「50%」で提出・完了とする(完璧主義の手放し)
- 集中を阻害する「誘惑」を遠ざける(環境デザイン)
テクニック①とりあえず「5分だけ」やってみる
ドイツの心理学者クレペリンが発見した脳の仕組みに「作業興奮」があります。これは、「やる気が出たから行動する」のではなく、「行動し始めることで、後から脳のやる気スイッチがオンになる」という現象です。
やる気が出るのを待っていても、一生やってきません。「とりあえず5分だけPCを開く」「1行だけ文章を書く」「資料を1ページだけ読む」と決めて着手してみましょう。一度動き出せば脳の慣性が働き「ついでに最後までやってしまおう」という気持ちになりやすくなります。もし5分やってみて本当に無理なら、その時はやめてOKというルールにしておくと、心理的ハードルがぐっと下がります。
テクニック②タスクを細切れにして「超・小分け」にする
「企画書を作成する」というタスクは、脳にとって大きすぎてストレスを感じます。大きすぎるタスクを見ると、脳は「面倒くさい」「大変だ」と拒絶反応を起こすのです。
これを、以下のように細かく分解(スモールステップ化)してみます。
✕「企画書を作成する」
◯「過去の企画書フォーマットをダウンロードする」
◯「タイトルだけ打ち込む」
◯「目次の見出しを3つ書き出す」
「これなら1分でできる」と思えるレベルまで小さく切り分けることで、脳の抵抗感をなくすことができます。
テクニック③始める時間を「あらかじめ固定」する
社会心理学者のハイディ・グラント博士が提唱する「if-thenプランニング(もし〜なら、〜する)」は、目標達成率を飛躍的に高める行動テクニックです。
人間の脳は、「いつかやろう」「時間が空いたらやろう」という曖昧な決定を実行するのが苦手です。代わりに、「トリガー(きっかけ)」と「行動」をセットで登録しておきます。
「朝オフィスに着いて、コーヒーを一口飲んだら(if)、まず請求書を1枚処理する(then)」
「お風呂から上がったら(if)、机に向かって10分だけ勉強する(then)」
このように決めておくことで、意志の力を消耗することなく無意識に行動に移れるようになります。
テクニック④完成度「50%」で提出・完了とする
完璧主義を少しだけ手放して、「まずは完成させることが最優先(Done is better than perfect)」と自分に言い聞かせましょう。
最初から100点の完成度を目指すのではなく、「まずは50点のクオリティで、骨組みだけ作れれば大成功」と考えてみてください。一度全体像(叩き台)ができてしまえば、そこから推敲したり修正したりするのは、ゼロから作り出すよりもずっと簡単で、ストレスも少なく済みます。
仕事においても、時間をかけて100点のものを出すより、早い段階で60点のものを上司やチームに見せてフィードバックをもらう方が、結果としてクオリティが高く仕事もスムーズに進むことが多いです。加えて、これが結構よくあることなのですが、時間をかけて100点だ!と自信をもって出しても、実は指示や認識に相違があり、結局やり直しになるというケース。
「私はこんなに頑張ったのに、もうヤダ!」……そんなことにならないためにも、60点での提出は効果的。100点でのやり直しよりダメージを受けずに済みますし、60点までのものを提出しているので、具体的なアドバイスが受けやすいのです。
テクニック⑤集中を阻害する「誘惑」を遠ざける
私たちの意志の力には限界があります。目の前にスマホがあれば、「SNSを見ないようにしよう」と耐えるだけで”脳のエネルギーを消費“しているんですね。
先延ばしを防ぐ一番賢い方法は、意志の力に頼るのではなく「環境を変えること」です。
- 作業中はスマホを別の部屋に置く、または電源を切る
- ブラウザの無関係なタブや、誘惑になる通知をすべてオフにする
- カフェや図書館など、仕事・勉強以外のことができない場所へ移動する
……というふうに、「誘惑と戦う」のではなく「誘惑が存在しない状態を作る」ことが、行動への近道です。
未来の自分を「最高の味方」にするため
私たちはつい、「未来の自分」に対して過度な期待を抱いてしまいがちです。
「今日は疲れているけれど、明日の自分ならきっとバリバリ働いてくれるはず」「休日にしっかり休めば、日曜日の自分なら完璧にこなしてくれるはず」
ですが、忘れてはいけないのは、未来のあなたも今のあなたと同じように疲れ、悩み、時にはラクをしたいと感じる等身大の人間だということです。
「未来の自分」に重い課題を押し付けるのをやめて、今のあなたが「ほんの数分だけ」手をつけてあげる。それは、未来の自分に対する一番の優しさであり、最高のプレゼントになります。
もし今、頭の隅で気になっている「後回しにしていること」があるなら、この記事を読み終えたら深呼吸をひとつして「とりあえず5分だけ」触れてみませんか?
完璧じゃなくて大丈夫。小さな一歩を踏み出したその瞬間から、あなたの心はすっと軽くなっていくはずです。
