つながらない電話
何度かけても、呼び出し音が続くだけでした。彼女がすぐ返してくれるのも、待っていてくれるのも、当たり前のことではなかったのだと、誰もいない待ち合わせ場所で思い知りました。ショーウィンドウの前で足を止めた日のことも、冗談めかして俺の手首にメジャーを当てて笑っていたことも、順番に思い出しました。
そして...
あの日彼女が眺めていたのは、2人分のブレスレットだったのだと思います。渡されるはずだった側の手首を見下ろして、かけ直す資格があるのかと考えました。答えはまだ出ていません。それでも、次は俺が時計台の下で待つつもりです。
(20代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
