45歳vs26歳の一戦で泣けるベテランの一言
—どういうところに小林さんはグッとくるんですか?
小林 ゲームをやってる人じゃないと、伝わらん話なんですけど、試合中の前歩きだけで泣いたりしますね。
—前歩きで泣く……?
小林 まさに「どういう意味?」っていうか、何してんのこの人っていうプレイをする時があるんです。
友保 藤井聡太みたいなね。なんでここ打つねんみたいな。
小林 どこまで歩くねんお前っていう。
—ゲームに小林さんほど入れ込んでる芸人さんって他にいらっしゃるんですか?
小林 (マヂカルラブリー)野田(クリスタル)さんはマジで好きですね。野田さんもちゃんとEVO(世界最大級の格闘ゲームイベント)とか正座して見て泣いてる人です。ユウショウも。
友保 ゆうじろーは?
小林 ゆうじろーはユウショウに一時間ぐらい語られて、染まりそうやった。
—スポーツ観戦みたいな感覚なんですね。
小林 そうですね。ときどとPunkの対戦も泣きましたよ。EVOは格闘ゲーム界のM-1グランプリですからね。
—やっぱりただの勝ち負けを超えた人間ドラマがあるのでしょうか。ちょっと気力を失った人がもう一度自分を奮い立たせて戦いの舞台に立つみたいな。
友保 THE SECONDですね。
—やっぱり格闘ゲームも若い人が有利なんですか。
小林 ですね。反射神経がいるから。ウメハラは第一人者だけど今年45歳で、MenaRDはまだ26歳。普通に考えたら負けますよね。MenaRDは脂がのってて強すぎる。
でも、試合が始まる直前に選手から一言ずつコメントをもらうんですけど、とっくにピークを過ぎたと思われるウメハラが「今すごい仕上がってるから、今日の俺に勝ったら大したもんやで」みたいなことを言うんですよ。
友保 カマすんや?
小林 いや、カマしてる感じでもない。若者がカマしてる感じじゃないんですよ。本気でそう感じてしゃべってる感じ。結局、負けるんですけどね。
ウメハラは自分でもプロゲーマーとしてのキャリアは「終わった」と思ってて、惰性でプロ続けてる感じやったけど、MenaRDと対戦するってなって、本気で練習に打ち込んだ時に「あれ俺、まだいけるぞ」ってなったらしいです。
—映画『ロッキー』みたい。いいですね……
小林 負けたけど、内容がめっちゃ良かった。まだまだいけるやんって。
—ふだんは小林さんがノリノリでしゃべってると、友保さんはうれしそうに話に乗ることが多いですが、格闘ゲームに関してはあんまり食いつかないですね。
友保 いや、俺1つ別で言いたいことあるんですよね。小林の「泣き疑惑」が…。
—どういうことですか?
友保 あの今年の上漫(上方漫才大賞)の奨励賞をわしらが取った時、小林が泣いてんじゃないか疑惑。これが今、ちょっとね、ホットなんですよ。
上方漫才大賞での疑惑の涙
—小林さんが人前で泣いた疑惑……?
友保 わしはあの時「ラッキーラッキー イェーイ♪」って言ってたんですけど、後々いろんなやつから聞いたんが、小林の目が赤かったんじゃないかっていう。で、わしもあの時ふっと小林を見たら、確かにウミガメやったら卵産んでる時くらいの目しててね。そんで、小林がありえへん動きのお辞儀してたっていう。見たことないタイプのお辞儀してたんで。
小林 感謝や。感謝の気持ちを表したんやで。
—小林さん的にはちょっと感極まった感じはあったんですか。
小林 いや、そんなんなかったんですよ。
友保 いやいや、多方面から情報きてますから。
—泣くに値する素晴らしい賞ですし、泣いてもいいのでは……。
友保 いやでも、人前で泣く、泣かへんっていう男のね。あと、芸事に泣かへんプライドもね。やけどまあ、5日間寝てないぐらいの目の赤さ。あと見たことないお辞儀と敬礼。これはどう考えても変やな。
小林 敬礼? 泣いてないねんけどなぁ。うれしかったはあるけど、感極まった感じはなかったよ。
—なんでちょっとツッパるんですか。ここまで各方面から情報が集まってるのに。
小林 ちゃんとした記者の人からならわかるけど、ここ(友保)の各方面はあてにならない人たちなんですよ。
友保 せやかて、「小林が泣いてた」なんかあんまり聞かんしな。彼が「泣いてない」っていうのは、やっぱりひとつ芸事ではピッとしたい、そのプライドもあるんじゃないかと。
小林 泣いてないんやけどな。
友保 涙こそ出てないけど。奥からこみ上げてくるものを眼圧で抑え込んでる感じはあったんじゃないかと。
—友保さん的にはやっぱり泣いててほしいですか。
友保 いや、泣いてたら泣いてたでええねんけど、何を隠してんねんやろっていう。あとあのお辞儀なんやねん。
小林 あれは優勝用やろ。
友保 いや1回俺、見たことあるんですよ、そのお辞儀を。前に見たんがNSC(吉本総合芸能学院、吉本興業のお笑い養成所)の時のラッキィ池田さんの授業で。
小林 それは覚えてない(笑)。
友保 「好きな動きせい」言われて、うわーって小林が動いた後にそのお辞儀をしたことがあって。あの時もみんなが「あれなんや」って。あれ以来やったから。小林の感情が動いたんかな。

