プロ野球の秋は、別れの季節でもある。2025年の戦力外第1次通告期間は9月29日から10月10日までで、12球団で計101選手が通告を受けた。さらに、クライマックスシリーズ・ファーストステージ敗退球団に認められる延長措置により、オリックスが3選手に来季構想外を通達。世代交代が進む一方で、実力を備えた「お宝」候補は少なくない。
最多はロッテの13選手で、国吉佑樹、二木康太らが名を連ねた。DeNAとソフトバンクが12人、巨人が11人、ヤクルトが10人。最少は日本ハムの1人で、古川裕大のみ。巨人・長野久義のように、引退後も大学院進学を目指すケースもあるが、多くは現役続行を志す。現役生活が長期化する時代、戦力外は終着点ではなく、再び立ち上がるための出発点でもある。
戦力外通告を機に、輝きを取り戻した選手は少なくない。2000年オフに巨人を戦力外となった入来智は翌年、ヤクルトへ移籍。古田敦也とバッテリーを組んで先発ローテに定着し、自身最多の10勝を挙げた。
オールスターでは弟・祐作(巨人)と「兄弟継投」を実現させ、日本シリーズ第3戦では5回1失点で勝利投手となった。悔しさをバネに日本一の立役者となった、象徴的な物語だ。
オリックスを2004年に戦力外となった山崎武司も、記憶に強く残る。楽天移籍3年目の2007年に43本塁打、108打点で二冠王に。打率は2割6分1厘ながら、勝負強さで球界の頂点に返り咲いた。
上には上がいる。2014年オフに阪神を事実上の戦力外となって退団した新井貴浩は、38歳で古巣・広島に復帰。2016年は打率3割、19本塁打、101打点で25年ぶりのリーグ優勝へと牽引し、セ・リーグMVPを受賞した。「ボロボロになるまでやれ」というチームメイト黒田博樹の言葉は、晩年のスラッガーの背中を押した金言として語り継がれる。
今年は広島の田中広輔、ソフトバンクの田浦文丸、西武の水上由伸らが注目株か。いずれも再起への力を十分に秘めており、環境が整えば再び輝きを放つ可能性はあろう。
第2次戦力外通告はCS全日程終了翌日から、日本シリーズ終了翌日まで。選手会主催の合同トライアウトは11月12日、マツダスタジアムで開催される。秋の静かなスタンドから、次の復活物語が始まるのだ。
(ケン高田)

