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「長く住んでほしい部屋にしか、言いません」便箋に注文を書き続けた私の本心

「長く住んでほしい部屋にしか、言いません」便箋に注文を書き続けた私の本心

1階の部屋のこと

1階が空いたのは3年前です。退去のあとに部屋へ入ると、押し入れの奥の壁が黒く変わっていて、修繕には家賃の何か月分もかかりました。住んでいた方は何も言わず、私も何も聞きませんでした。換気と掃除のお願いを一度でもしていれば、と今でも思います。更新の封筒に便箋を入れるようになったのは、それからです。数日後、角部屋の人が更新の書類を持って母屋に来ました。

「私、何かご迷惑をかけてますか」

その一言で、あの便箋がどのように解釈されているかを感じました。

そして...

居間に上がってもらい、棚からファイルを出しました。1階の部屋の写真と、あのときの見積もりです。

「前の方のとき、私が何も言わなかったから」

それだけ口にして、あとは写真に説明を任せました。角部屋の人は、番号を1つずつたどるような目で、ページをめくっていきます。

「長く住んでほしい部屋にしか、言いません」

帰り際、角部屋の人はその場で書類に署名して、渡してくれました。サンダルをつっかけて、外階段の下まで送りに出ました。次の便箋は、少し長くなりそうです。書き方がうまくなるかは、わかりませんが。

(60代女性・アパート経営)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

配信元: ハウコレ

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