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全盲のパラクライマー會田祥、ロサンゼルス後へつなぐパラクライミングの未来

全盲のパラクライマー會田祥、ロサンゼルス後へつなぐパラクライミングの未来

ロサンゼルスでは最高のパフォーマンスを

2024年6月、ロサンゼルス2028パラリンピックの競技採用が決定した。そのときの複雑な心境を明かす。

會田: インスブルックからの撤収時、ミュンヘン(ドイツ)でフライトの調整をしているときに、チームのLINEに誰かが「決まったよ」と投稿していたんですよね。ただ、決まったという最初のリリースには実施カテゴリーやクラスについての言及はなく、メダルの数くらいしか書いていなかったのかな。現行で走っているワールドクライミング・パラシリーズや世界選手権からはだいぶカテゴリーやクラス数が絞られるので、そこに自分のクラスが残れる保証はありませんでした。実際、B1は採用されたわけですが、それも別に実力で入ったわけではなく、単純にたまたまそのタイミングにいただけだと思っています。

逆にそのタイミングで、実力とは関係ない部分で採用外になってしまった選手もいて、むしろそっちの方が多いわけですから、素直に喜べる話ではないですよね。やっぱり仲のいい選手のクラスが採用されずショックを受けているのを見たりして……。ロサンゼルスに行けない選手の気持ちも背負わざるを得ないと思います。

2012年の世界選手権で、私は当時王者だった小林幸一郎さんを抑えて初優勝したわけですけど、小林さんが負けて落ち込んでいたことを思い出しました。今回は、そのとき以上に、自分の力ではどうにもできない部分で落ち込んでいたので。2032年以降も競技がパラリンピックで継続して実施されるかは分からないですし、ロサンゼルスはそこにつながるかどうかにも大きく関わってきそうです。今後種目が増えるかどうかは、結局2028年のロサンゼルス大会がどれだけ盛り上がるか次第だと思うんです。そういう意味でも、ロサンゼルスはちゃんと目指さなきゃいけないと感じています。ただ、大会自体が成功するかどうかは選手が頑張る領域とはまた別の軸だと思うので……本当は選手って、そこでパフォーマンスを最大限発揮すること以外は考えてはいけないし、邪念であるとは思うんですけどね。

王者として追われる立場にあるが、プレッシャーに対しては至って冷静だ。

會田: (王座が奪われるのは)ただ時間の問題という気はしています。でも、そのほうがスポーツとして競技レベルが上がり、循環していくことになるので、いずれはそうなったほうがいいと思っていますね。

数々のタイトルを獲得してきた中でのモチベーションはどこにあるのか。

會田: コンペでの経験が普段のトレーニングにフィードバックされ、それによって自分のクライミングがよくなるのであれば、コンペはそのサイクルを強制的に加速させる手段としてすごく機能していると思います。今より強くなりたいです。「うまい」ではなく、「強い」という言葉を選ぶ理由ですか? 強いのほうが、自分の中ではより総合的な強さを表している感じがするので。

2028年のロサンゼルス大会では頂点を目指す

エースとして期待されるロサンゼルス大会に対しても、「日程と会場以外決まっていないのだから、気をもんでも仕方ない」と常にクールで自然体。そんな独特の魅力を持つ會田の挑戦から目が離せない。

text by Asuka Senaga
photo by Hiroaki Yoda

配信元: パラサポWEB

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