2024年8月、千葉県いすみ市の住宅で、一人暮らしの石上静子さん(当時89)が首を圧迫され、殺害された事件。発生から約2年後の今年8月10日、千葉県警は、静子さんの長女で、茂原市に住むパート従業員・石上秀子容疑者(54)を殺人の疑いで逮捕した。
逮捕後の調べに対し、秀子容疑者は事件への関与を否定。一方、捜査関係者によると秀子容疑者は、静子さんの口座の資金をもとに、動画配信者へ1000万円を超える「投げ銭」をしていたことが判明しており、県警は事件の背景に金銭トラブルがあった可能性も視野に調べている。
室内に激しく争ったような形跡はほとんどなかった
事件が発覚したのは、2024年8月6日のことだった。
この日、静子さん宅に設置されていた警備会社の見守りセンサーが一定時間反応しなかったことから、同日午後5時ごろ、警備会社の関係者が住宅を訪問。2階の寝室で、床にあお向けに倒れている静子さんを発見し、死亡が確認された。
「発見当時、静子さんの着衣に乱れはなく、室内にも激しく争ったような形跡はほとんどなかったようです。しかし、司法解剖の結果、死因は首を圧迫されたことによる窒息死と判明しました。千葉県警は殺人事件と断定し、約100人態勢の捜査本部を設置しました。その後、周辺の防犯カメラやドライブレコーダーの映像などを解析し、捜査を続けてきました」(社会部記者)
逮捕までには約2年を要した。
千葉県警は今月10日、静子さんの長女で、茂原市に住むパート従業員・石上秀子容疑者(54)を殺人の疑いで逮捕した。逮捕容疑は、2024年8月に静子さん宅で、その首を圧迫して窒息死させたというものだ。
秀子容疑者は調べに対し、「私は母を殺害していません」と容疑を否認している。県警は、逮捕の決め手となった証拠を明らかにしていない。
「仲のいい親子に見えた」
生前の静子さんを知る別の近隣住民(40代・女性)は、突然の死に驚いたという。
「静子さんは朗らかで明るく、とても元気な方でした。時期は分かりませんが、旦那さんに先立たれ、ずいぶん前から一人で暮らしていました。高齢ですし仕事はしていませんが、近所に住む90代の年寄りの家を訪ねて、話し相手になったり、掃除をしたり、身の回りのことを手伝ったりして多少のお金を得ていました。
歩くことに問題はなく、日常生活に支障はなかったと思います。亡くなったと聞いたときは、周囲でも『あれだけ元気だったのだから、健康上の問題ではないだろう』と話していたくらいです。亡くなってからも自宅に警察が頻繁に来ていましたが、まさか殺人事件だとは思いませんでした」
近隣住民の目には、静子さんと秀子容疑者は仲のよい母娘に映っていた。茂原市で暮らす秀子容疑者が、いすみ市の実家を訪れ、母親の買い物などを手伝う姿もあったという。
「静子さんに娘がいることは知っていました。私も一度だけ秀子さんに会ったことがありますが、一瞬顔を出しただけで、そのときは秀子さんだとは気づきませんでした。秀子さんは茂原からこまめに静子さんの様子を見に来て、買い物など普段の生活を支えていたようです。静子さんも『今日は娘が来るから買い物に行く』というように、日常的に秀子さんが来て何かをしてくれたという話をしていたので、仲のよい親子に見えていました」(同)
周囲には穏やかな親子関係に見えていた母娘だが、県警は親子の間に金銭トラブルがあった可能性もあるとみている。

