「壊す」から「残す」へ。自社工場を活かしたリフォーム
石材業界全体では新規建立を重視する傾向があるとされるなか、リフォームにも力を入れている。 同社によると、石は本来100年以上持つ素材であり、自社工場を活用して古い石を加工し直すことで、既存の墓を新しい形に生まれ変わらせることができるという。2011年の東日本大震災時には、300件超の墓石修理を経験した実績も持つ。 もっとも、すべての古い石材がリフォームに適しているとは限らない。石の材質や劣化具合によっては再加工が困難なケースもあり、現場sの状況次第では必ずしも希望通りに再利用できるわけではないのが実情だ。
斜陽産業における生存戦略――「置かれた場所で咲く」意義

業界全体として、石材業は需要が減少傾向にある斜陽産業と位置づけられる。 その中で近藤氏は、時代の変化を嘆くのではなく、「今いる場所でどう咲くかを考えること」を重視していると語る。やむを得ない事情による墓じまいは仕方ないとしつつも、管理上の理由による墓じまいを減らすことを目指し、維持しやすい墓づくりを進めている。 一方で、人々の価値観が多様化し、樹木葬や散骨といった新たな供養の形が普及するなか、従来の墓という形にこだわること自体の持続性には不確実性が伴う。市場のニーズがどこへ向かうか、今後の推移次第で業界の輪郭がさらに変わっていくことになりそうだ。
【取材協力】
有限会社近藤石材店
代表取締役 近藤洋
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