●安物買いの銭失いになりがちな「充電関連アクセサリー」
複数のデジタル機材を日常的に持ち歩き、カフェやコワーキングスペースなど、場所を変えて作業することが多い筆者にとっても、デバイスごとに異なる充電器を持ち運ぶことは長年のストレスであった。カバンは重くなり、コンセントの数が足りずに充電待ちが発生することもしばしばだ。
充電ケーブルやACアダプターは、現在では100円ショップやコンビニなどで手軽に手に入るため、出先でバッテリーが切れそうになった際、ついその場しのぎで買い足してしまいがちだ。筆者も過去、外出時にケーブルを忘れ、とりあえず最も安い製品を買って急場をしのぐという失敗を何度も繰り返してきた。
しかし、こうした低価格な製品は耐久性に難があることが多く、カバンの中で折れ曲がったり抜き差しを繰り返したりするうちに、数カ月で断線や接触不良を起こしてしまうケースが後を絶たない。いざという時に充電できず、結局また新しいものを買う羽目になる。断線するたびに出費を繰り返すことは、数年単位で見れば大きな「隠れた無駄遣い」となっている。
さらに重大な問題として、耐久性の低い粗悪なケーブルや劣化したコネクターの使用は、発熱や発火といった事故に直結する。
製品評価技術基盤機構(NITE)の発表によれば、充電用コネクターのピンが外力で変形したほか、内部に液体や異物が付着した状態で使用を続けた結果、ショートを起こして焼損や火災に至る事故が多数報告されている。安いからと妥協せず、信頼できるメーカーの安全な高耐久製品を最初から選ぶことが、無駄な買い直しを防ぐ最大の節約であり、安全対策にもつながるのだ。
●初期投資してでも高出力な「GaN充電器」を選ぶべき理由
乱立する充電器を一つにまとめ、デスク周りやカバンの中をスッキリさせるために不可欠なのが、複数のUSBポートを備えた高出力充電器の導入だ。その際、必ず選ぶべきなのが、GaN素材を採用した次世代モデルである。
従来の一般的な充電器に用いられてきたシリコン半導体は、電力の変換効率が悪く、高出力を出すほど内部の電力の約20%が熱となってしまい、安全性を保つために本体サイズが巨大化してしまう構造的な弱点があった。
しかし、次世代素材のGaNはエネルギー変換効率が極めて高く、シリコンの弱点であった発熱を劇的に抑えることができる。発熱が少ないため放熱のスペースを削ることができ、ノートPCを充電できる65Wや100Wクラスの大電力モデルであっても、従来の半分以下の手のひらサイズまで小型化・軽量化されているのが最大の特徴だ。
かつて筆者のカバンには、レンガのように重く巨大なノートPC純正のACアダプターが鎮座していた。しかし、マルチポートのGaN充電器を導入してからは、その1台をコンセントに挿しておくだけで、PCで重い作業をこなしながら、傍らでスマートフォンやポータブルオーディオ機器も同時に急速充電できるようになった。この身軽さと利便性は、一度体験すると手放せなくなるほど快適だ。

