幼なじみから届いた返信
数日後、幼なじみから返信が届きました。
「あんたが変わらずにいてくれるから、帰る場所がある気がするよ」
私は、変化のない自分を置いていかれた側だと思っていました。けれど幼なじみは、私が同じ場所で暮らしていることを、帰ってこられる理由の1つとして見ていたのです。
打ちかけた「私なんて」を消し、「ありがとう。いつでも帰っておいで」と返しました。幼なじみを祝えなかった自分が消えたわけではありませんが、画面に並ぶ報告だけで相手の毎日を決めつけていたことには気づきました。
そして...
数カ月後、幼なじみから通話がかかってきました。
「実はね、向こうで泣いてばかりだったんだ」
会議の英語が聞き取れないことや、日本へ戻ろうか迷ったことを聞きながら、私は台所で鍋の火を弱めました。順調に見えた報告の裏で、幼なじみも書けなかった言葉を抱えていたのです。
通話を終えたあと、私はグループの通知をオンに戻しました。引き出しの履歴書はまだ空欄のままですが、何かを報告するためだけに、急いで埋めようとはしていません。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
