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《menu終了》「送料無料」で赤字でも止まらない…ロケットナウ参入で激変、フードデリバリー3社が奪い合う「料理」の先にある巨大市場

《menu終了》「送料無料」で赤字でも止まらない…ロケットナウ参入で激変、フードデリバリー3社が奪い合う「料理」の先にある巨大市場

KDDIは8月19日、子会社でフードデリバリーを手掛ける「menu」のサービス提供を終了し、清算することを決定した。これにより、日本のフードデリバリー市場は王者ウーバーイーツと新規参入組のロケットナウ、純国産でLINEヤフーのグループ会社である出前館の3強が激しいシェア争いを繰り広げることになった。しかし、ロケットナウが仕掛けた配達手数料無料サービスにより消耗戦の様相を呈している。

市場の鈍化と価格競争というダブルパンチ

menuは2019年4月にテイクアウトからサービスの提供を開始。約1年後にデリバリーなどに本格参入し、新型コロナウイルス感染拡大による需要増で利用者を拡大した。

2023年4月にKDDIが過半数の株式を取得。合弁事業体制に移行した。市場が旺盛に伸びていたころだ。menuは2024年上期にデリバリーアプリ新規ダウンロード数で第1位を初めて獲得している。

しかし、2025年に入ってフードデリバリー市場はダブルパンチを浴びることになる。1つは市場の鈍化。もう1つがロケットナウ参入による低価格化だ。

外食・中食市場情報サービスを提供するサカーナ・ジャパンによると、2024年のデリバリー市場は前年比6.1%減の8078億円だった。2025年は同2.0%増の8240億円でプラスに転じたものの、2023年の8603億円には及ばない。

そして、2025年の市場が伸びたのは、一部のサービスで配送料無料などの施策が増え、競争が激化したためだと言われている。これが2つ目の低価格化である。

米国テック企業発のEC大手クーパンは、2025年1月にロケットナウで日本のフードデリバリー市場に殴り込みをかけた。注文者側の配達手数料が無料という、当時は常識外れのサービスだった。サービス開始から15か月で500万ダウンロードを突破。価格を武器に新規ユーザーを次々と開拓していった。

2026年2月にウーバーイーツも料金で対抗した。サブスクリプションサービス「Uber One」に加入する会員を対象に、1200円以上の注文であれば配達手数料と注文時にかかるサービス料を無料としたのだ。

手数料の無料化がいかに企業を消耗させるかは、出前館の決算を見るとよくわかる。同社は2026年3月から一部店舗で配達手数料を無料化した。

2026年3月~5月の売上高は前年同期間比で11%も増加し、103億円となっている。しかし、同じ期間の売上原価は109億円なのだ。

出前館は自社が送料を負担していると明記している。利用者を増やすためには価格を下げる必要があるいっぽう、注文が増えれば配達員への支払いも膨らむ。フードデリバリー各社は、まさに消耗戦へと突入しているのだ。

北欧発のフードデリバリーサービス「ウォルト」は2026年3月に日本市場から撤退している。そしてmenuも看板を下ろすこととなった。

クーパンが成長鈍化の日本市場に目をつけた理由

それでは、なぜクーパンが今になって日本フードデリバリー市場に新規参入したのだろうか。これには明確な成功モデルがある。韓国でのデリバリー市場のシェア獲得だ。

クーパンは韓国で「クーパンイーツ」というデリバリーサービスを展開しているが、完全な後発組だった。転機となったのは2024年3月の無料配達だ。市場調査機関のワイズアプリ・リテールによると、無料配達をする前のクーパンイーツの月間利用者は2023年4月の328万人から2026年4月の1,316万人へ約4倍に増加した。

同じ3年間で「配達の民族(ベミン)」は約7.1%増だった。クーパンイーツはこの期間中の2024年3月26日にWow会員向け無料配達を開始している。

ここでポイントとなるのは、たとえ業績が悪化してでもシェアを拡大しようとする企業の真の狙いだ。これはロケットナウ、ウーバーイーツ、出前館ともに同じものだ。将来の重層的な配送ネットワーク構築による収益化である。

韓国のクーパンイーツはコンビニ大手と手を組み、24時間配達サービスを開始している。弁当や食品、日用品などを時間に関係なく配達できる仕組みを整えたのだ。

一方、日本のウーバーイーツは2019年の段階でローソンと手を組み、食品や日用品の配達を試験的に行なっていた。出前館は2021年にセイノーホールディングスと提携、ネットスーパーやネットコンビニの商品を届けるサービスの強化を図った。

ウーバーイーツやロケットナウ、出前館をフードデリバリーサービスと捉えると、本質を見誤ることになるだろう。停滞するこの市場で投資を重ねる意味などないに等しいからだ。

しかし、飲食店、コンビニ、スーパー、ドラッグストア、ホームセンターなど重層的な配送ネットワークを構築し、買い物代行するサービスを提供すると捉えると見え方は違ってくる。

配達員を大量に確保し、ユーザーから大量の注文を受けることができれば、1回の配送密度が上がって相対的に配送コストが下がる。プラットフォーム上の取引額も増え、収益化しやすくなるわけだ。

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