あおり運転はあったのか? 防犯カメラの映像では…
一方、加藤容疑者が主張する「あおり運転」は実際にあったのか。
現場周辺には、事件前の2台を捉えた防犯カメラの映像が残されていた。現場の踏切までは制限速度40キロの片側1車線の道路だ。
事故現場から少し離れた場所に住む住民は、「ウチの防犯カメラの前を通過する際は、被害者が煽っているようには見えなかった」と証言する。
「加藤容疑者の車が通過してから約8秒後に被害者の車が通過しているが、どちらも法定速度程度の安全運転に見えた。ただ、加藤容疑者より被害者の方がわずかに速度が速い。報道に出ている踏切直前の映像ではかなり加藤容疑者の車に被害者の車が迫っていたため、そこに至るまでに被害者が急激に速度を上げたか、加藤容疑者が故意に速度を下げたかしないと、あそこまで近づかないのではないか」
社会部記者がこの状況について解説する。
「加藤容疑者と被害者の車間距離が詰まっている状態で走る映像の位置から踏切まで、車で1分程度の距離です。加藤容疑者の実家は現場の踏切よりもっと手前に位置しており、実家に寄ろうとして減速した際に、被害者の車と距離が詰まったのかもしれません。仮にあおり運転があったとしてもほんの短い距離、車間が詰まっていたという状況だったと思われます」
「雪かきもしてくれるような人だった」
捜査関係者によると、加藤容疑者はロードサービスを提供するJAFの職員だという。加藤容疑者は事故現場から北に4キロほど離れた集合住宅に住んでいたが、現場からほど近い実家にはたびたび顔を出していた。
実家付近の住民は、加藤容疑者の家族についてこう明かす。
「加藤さんのお宅はもともと母親と父親、息子さん、弟さん、お姉さんで住んでいたと思います。ただ、お子さんはみんな家を出ていますし、父親も10年近く前に亡くなってしまったので、今住んでいるのは母親だけだと思います。それでだと思いますが、息子さんが月に2、3回母親の様子を見に帰ってきていました」
実家へ定期的に顔を出していた加藤容疑者は、周囲への気配りも欠かさなかったという。
「息子さんの見た目は普通の方で、すごく温厚な腰の低い人です。私のうちにも『たくさん採れたんで』『たくさんいただいたんで』と野菜とかブドウを持ってきてくれたこともありました。本人から直接聞いたわけではないのですが、車関係の仕事というのはなんとなく知っていました。よく実家の駐車場に車を停めてタイヤなどをいじっているのも見ましたしね」
車への関心は強かったようで、昔は外車に乗っていた時期もあったという。
さらに、「実家の庭の手入れをしたり、雪が積もった時などは周囲の近所の人のところまで雪かきをしてくれるような人です」と近所での評判はよかった。
「あんなことをするような人にはまったく感じられなかったんですけどね……。最後に見かけたのは、1ヶ月前くらいでしたね。『母親のために実家の屋根を新しくやり直してるんです』と業者を手配したといった話をしていました」
その際、雨どいについては自身で直すと話していたという。
「その時に雨どいは自分で直すというので、材料を探して買ってきたそうです。自分でやるのか尋ねると『そうなんですよ。(材料が)どこにも売ってなくて大変でした』なんて話もしていました。本当に感じのいい普通の方だったので、事件を知って驚きました」

