名投手の証しとされる「200勝」。400勝の金田正一、350勝の米田哲也と多くの達成者が生まれた昭和と異なり、今、NPBのマウンドに「200勝投手」が一人もいなくなった。
前編では、現代のプロ野球が分業制などの確立で「200勝」という記録がいかに困難さを伴うものかを解説したが、後編では200勝投手が現れる可能性を突き詰める。
【投手の勲章・前編】を読む
◆平成の怪物・松坂大輔が置き去りにしたもの
「平成の怪物」として球史に名を刻んだ松坂大輔は、1998年の甲子園での春夏連覇、プロ1年目からの16勝で最多勝と新人王の同時獲得、そして全盛期に鳴り物入りでMLBへ移籍。ボストン・レッドソックスでワールドシリーズ制覇にも貢献した。
だが、松坂の悲劇は200勝という金字塔に届かなかった点にある。故障との戦いに明け暮れた晩年、NPB通算では218試合で114勝65敗、MLB通算では158試合で56勝43敗、日米通算170勝のまま引退した。
もし故障がなければ、どれほどの記録を残したか──それを知るからこそ、「松坂こそ最強」と断言する野球ファンも多い。
◆田中将大「日米200勝」が最後の偉業となるか
そして現代。2025年9月30日、プロ野球界に歓喜の瞬間が訪れた。
2025年9月30日(火)、東京ドームで開催された対中日ドラゴンズ戦において、読売ジャイアンツの田中将大が6回2失点の好投で今季3勝目を挙げ、日米通算200勝を達成した。野茂英雄、黒田博樹、ダルビッシュ有(パドレス)に続く史上4人目の快挙にたどり着いた。
田中は2013年には24勝無敗という前人未踏の成績を収め、楽天を球団初の日本一へ導いた。あの「24勝0敗」は、球史に残る金字塔として今なお輝き続けている。
しかしこの記録が、実は「最後の偉業」になりかねない現実がある。前編でも記したが、NPB単独での200勝は2008年に中日の山本昌が記録したのが最後で、日米通算も今回の田中将大の後は、しばらく出てこないのではないだろうか。
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