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9万円超え! シャープ製「ファミコンテレビ」の驚きの性能 「当時買えた家庭なんて…」

9万円超え! シャープ製「ファミコンテレビ」の驚きの性能 「当時買えた家庭なんて…」


シャープがリリースした「ファミコンテレビC1」は、ファミコンとTVが一体化した家電。画像はSHARP公式Xより。

【画像】えっ、超レア! こちらが「任天堂」の“知る人ぞ知る”ゲーム機です(4枚)

任天堂以外が手がけた「ファミコン」ってなに?

 任天堂のTVゲーム事業は「ファミコンから始まった」と認識している人も少なくないかと思います。しかし実際には、ファミコンの前にその原点ともいうべきゲーム機が存在しました。

 また、ファミコンやスーパーファミコンも知られているような本体だけでなく、一風変わった派生機や、時代を先取りした周辺機器などが登場しています。有名なゲーム機以外の機器も、今日までのゲーム史を語るうえで決して外せません。

ファミコンよりも古い「カラーテレビゲーム」

 任天堂は「ファミリーコンピュータ」を1983年7月15日に発売し、後に日本中へと広がる一大ブームを巻き起こしました。このファミコンに先駆けること5年前の1977年に、同社初の家庭向けTVゲーム機「カラーテレビゲーム」が発売されます。

「カラーテレビゲーム」は、15種類のゲームが遊べる「カラーテレビゲーム15」(15000円)と、遊べるゲームは6種類と少ないが価格も安かった「カラーテレビゲーム6」(9800円)の2種類があり、ユーザーは好きな方を選べました。

 1977年の時点で、すでに他社から「オデッセイ」や「テレビテニス」といったTVゲーム機が販売されており、この「カラーテレビゲーム」の登場はいわゆる後発の参入でした。しかし、2万円程度が多かった他社機と比べて明らかに安く、手が出しやすい価格帯でユーザーを取り込み、見事成功を収めます。

 その後任天堂は、携帯型ゲーム機「ゲーム&ウオッチ」でも華々しい成果を出し、ゲーム人気の下地を整えた後にファミコンで一大ブームを巻き起こしました。その成功も、「カラーテレビゲーム」の貢献あってこそといえます。

シャープが手がけた「ファミコンテレビC1」

 ファミコンの成功は後の世に大きな影響を与え、当時もさまざまな形で広がりを見せました。そのひとつが、ファミコン本体の多彩なバリエーションです。

 コンポジットビデオ出力に対応した「AV仕様ファミリーコンピュータ」が特に有名ですが、ファミコンの機能と組み合わせた家庭用向けの電化製品もあり、シャープから発売された「ファミコンテレビC1」がその代表例です。

「ファミコンテレビC1」はTVとファミコンの機能が組み合わさっており、これ1台でTV番組の視聴からファミコンのプレイまで可能でした。単に機能を内蔵しただけでなく、「AV仕様ファミリーコンピュータ」を上回る画質の良さを提供するなど、通常の本体よりも優れた一面を備えています。

 ただし、14型の「ファミコンテレビC1(14C-C1F・W・R)」でも価格が93000円と高価格であるため、「画質がいいファミコン」という購入動機だけではなかなか踏み切れない金額でもありました。特に、当時の小中学生ではまず買えません。憧れても眺めるだけだった、手の届かないレアなゲームハードといえます。


周辺機器「サテラビュー」に対応した「スーパーファミコン」(マグミクス編集部撮影)

画期的だったけど対応ゲームが少な過ぎた?

時代を先駆けた「サテラビュー」

 ユニークなのは、ゲーム機本体ばかりではありません。昨今のゲーム機は、インターネットへの接続やアップロード・ダウンロード機能なども内蔵されていますが、黎明期のゲーム機では周辺機器として機能を追加するケースが大半でした。

 そのなかでも忘れられない機器のひとつが、スーパーファミコン専用の「サテラビュー」です。スーパーファミコン本体の発売は1990年ですが、そこから5年後の1995年に、放送衛星からのデータ放送サービスを受信するという驚きの機能を備えた「サテラビュー」が登場しました。

 いまでは衛星通信とスマホの接続も可能な時代となりましたが、1995年といえばようやくインターネットが普及を始めた頃合いです。情報伝達の手段がまだまだ限られていた時代に、ゲーム機と衛星をつなげ、ゲームデータを受信する──まさしく、時代を先駆けた最先端の試みでした。

 しかし残念なことに、その恩恵を受けたユーザーはごく一部に限られました。実は、「サテラビュー」単体では衛星データ放送を受信できず、BS放送を受信する機器と接続する必要があったためです。

「サテラビュー」のために受信用の機器を新規でそろえるのは、費用的にハードルが高く、子供がねだるには少々荷が重い頼みごとでした。そのため、すでにBS放送の環境が整っている一部の家庭が、この「サテラビュー」の恩恵を受けた……という形が大半だったと思われます。

「サテラビュー」のゲームコンテンツ自体は無料で配信され、オリジナルゲームも複数提供されました。また、体験版のプレイも可能だったりと、新たな時代をいち早く感じ取った機敏な展開だったといえます。しかし、その歩みがあまりにも早過ぎたため、時代が追いつけずに終わってしまいました。

配信元: マグミクス

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