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話題沸騰中!映画『オークストリートの異変』を恐竜研究家はこう観た「恐竜の動作が学術的観点から見ても全く問題なく再現されている」

話題沸騰中!映画『オークストリートの異変』を恐竜研究家はこう観た「恐竜の動作が学術的観点から見ても全く問題なく再現されている」

体が羽毛でおおわれた大型竜脚類の映像は「挑戦的で意義のある表現」

Q:羽毛の生えたラプトル、恐竜の交尾シーンも出てきますが、富田さんからご覧になって、研究に則しているなと感じましたか?またはフィクションならではの面白さを感じましたか?

現在、多くの学者は、恐竜も鳥や哺乳類と同じように、活動に必要な熱を自分で作り出し、気温にあまり左右されることなく、一定に保つことができたと考えています。恐竜が他の爬虫類にくらべて寒さに強かった大きな理由のひとつに、体が羽毛でおおわれていたことが考えられます。
1996年以来、中国の遼寧省を中心に、羽毛の残った恐竜の化石が続々と発見されています。それどころか、恐竜よりもずっと原始的とみなされているワニでさえ、羽毛を作るもとになっている遺伝子が発見されており、もともとは体をそれなりの羽毛でおおっていた可能性が指摘されています(現在のワニは極端な少食で、同じ体重の鳥が食べる10数分の1という食物でも生きていけます。ワニはもともと鳥のようなメカニズムを持つ動物だったのに、羽毛を脱ぎ捨て、自分の体内で熱を作り出すことをほぼ諦め、外界の温度に身を任せることで大胆に省エネを実現したのかもしれません)。
単純な作りの羽毛は、ワニに次いで原始的な爬虫類である翼竜の化石からも見つかっています。こうした証拠から、すべての恐竜は元々羽毛を持っていたと考えられます。

いっぽう、ミイラ化して発見された大型恐竜の皮膚の多くは鱗のような皮膚でおおわれています。大型恐竜の多くは羽毛が退化して、鱗のような皮膚でおおわれていたでしょう。でも、これは現在の大型哺乳類であるゾウやサイ、カバなどの毛が薄いように、体が大きすぎて毛づくろいができないなどの衛生的な事情などで、もともとあった羽毛を失った可能性が高いのです。恐竜の化石は当時の北極圏や南極圏内からも数多く見つかっています。恐竜の生きていた環境というと熱帯のジャングルのようなものをイメージしがちですが、当時南極圏内だった1億1千万年前のオーストラリア南部は、年間の平均気温がマイナス2℃~プラス6℃、当時も北極圏内だった7千万年前のアラスカ北部は、年間平均気温が約5℃といわれています。ちなみに現在の地球上では、札幌8.5℃、根室6.1℃、東京15.9℃というデータが得られています。外国ではアンカレジ(アラスカ)2.2℃、レイキャビーク(アイスランド)が4.4℃となっています。つまり、現在の平均気温と比べてすら、かなり「涼しい」環境にも、恐竜はたくさん暮らしていたのです。
結論すると、全ての恐竜には羽毛が生えていた可能性があるので、アロサウルスなどの体表の描き方は、学問的な研究成果に誠実な、まっとうな表現だと思います。
巨大な竜脚類の場合は(ゾウやサイの毛が薄いように)裸に近い外観だった可能性は高いですが、それとて(絶滅したマンモスやケブカサイがそうであったように)高緯度地帯に生息した種族であれば羽毛でおおわれていた可能性は大いにあります。体が羽毛でおおわれた大型竜脚類の復元映像はこれまでほとんど例がなかったので、むしろ挑戦的で意義のある表現だと思い、個人的にはとても気に入っています。

恐竜の交尾姿勢については、鳥、ワニ、トカゲといった近縁な現生動物のポーズをよく観察した結果を踏まえたものとお見受けしました。とても妥当な姿勢だと思います。何よりも、恐竜がモンスターではなく、地球上に実在し、あまつさえ非常に繁栄した「至極当たり前の」動物として存在したことを知ってもらうという意味で、交尾のくだりはこの作品の素晴らしいところであり、私も特に気に入っているシークエンスです。

Q:本作で恐竜に興味を持った方に富田さんがオススメしたい恐竜映画があれば教えてください。
超有名な某シリーズについては、私が紹介するまでもないので割愛致します。

個人的に思い入れが強いのは『極底探険船ポーラーボーラ』(1977年 ランキン・バスプロダクション /円谷プロダクション)で、原題が『The Last Dinosaur』ですから純度の高い恐竜映画に含めてよいと思います。日米合作の映画で、科学考証という意味では現在の水準からみれば辛いのですが、円谷プロによる縫いぐるみ特撮のプラスの面というべき、ティラノサウルスやトリケラトプスの表皮に、ゾウやサイに通ずる乾いた巨獣感が宿っていて迫力満点です。

また恐竜映画ではなく「恐竜の出てくる映画」としては『怪獣総進撃』(1968年 東宝)。私が初めて見た劇場映画でもあります。当時としてはあり得ないくらい考証もクオリティーもしっかりした恐竜『ゴロザウルス』(名称はアロサウルスのもじり)が、パリの凱旋門を跡形なく破壊したかと思えば、ゴジラと共闘、宇宙超怪獣キングギドラに飛び蹴りして窮地に追い込んだりという謎の内容。恐竜が、居並ぶ怪獣の世界に殴り込んでも決して迫力負けしないことを私たちに示してくれた作品です。
最後に、手前味噌で恐縮ですが当方監修のプラネタリウム用CG映画『新オーロラを見た恐竜たち 虹色に輝くアラスカの大地』(2023年 D&Dピクチャーズ)を。これまであまり取り上げられなかった、白亜紀の過酷な北極圏で暮らした恐竜たちの生き様を紹介しています。

『オークストリートの異変』大ヒット上映中
(C)2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
配給:東和ピクチャーズ・東宝

配信元: ガジェット通信

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