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〈福岡県議会のドン、突然の辞職〉「本人が望んで辞めるはずがない」…豪華海外視察、金銭授受疑惑で炎上、自民党本部が“退場”迫ったか

〈福岡県議会のドン、突然の辞職〉「本人が望んで辞めるはずがない」…豪華海外視察、金銭授受疑惑で炎上、自民党本部が“退場”迫ったか

豪華海外視察や県議会正副議長ポストをめぐる金銭授受疑惑など福岡県議会で噴出する問題の中心にいるとみられていた“県議会のドン”、蔵内勇夫氏(72)が、県議会議長だけでなく県議も辞職すると突然表明し、25日、辞職願が許可され、同日付で県議を辞職した。背景には分からない部分が多いが、蔵内氏は問題の鎮静化を図ろうと動くたびに“舌禍事件”を繰り返しており、来春の統一地方選を前に悪影響が全国に広がることを懸念した自民党本部から退場を迫られたとの見方が出ている。

蔵内氏は週明けの24日午前9時すぎ、地元メディアに「議長コメント」を発表した。

そこには「8⽉25⽇(⽕)に東京で開催される⼥性議員研究交流⼤会での全国都道府県議会議⻑会会⻑としての職責を全うしたうえで、福岡県議会議員の職を辞することとしましたので、お知らせいたします。」との一文だけ。肝心の辞職理由は書かれていない。

蔵内氏はコメントの通り、25日午後に都内で開かれた⼥性議員研究交流⼤会の会場に現れ、全国都道府県議長会会長と福岡県議会議長、県議会議員を同日辞職すると改めて表明。

金銭授受疑惑で福岡県議会に設置された第三者委員会には積極的に協力し解明を図りたいと思っているとしたうえで「なお、後日福岡でゆっくり報告を行ないたいと思っております。以上です」と言い、質問を受け付けなかった。

辞めるというその日に蔵内氏は全国都道府県議長会会長の肩書で⼥性議員研究交流⼤会の開会あいさつなどをこなすと会場を後にし、その直後にまた一方的にコメントを発表。

そこでは「私⾃⾝の進退を巡って、これ以上県議会の混乱が続くことは、私の本意ではありません。新しい体制のもとで、県議会が⼀⽇も早く本来の役割を取り戻し、県⺠の皆様のための議論に全⼒を注いでもらいたい。そのためには、議⻑職だけでなく、県議会議員としても⾝を引くことが、今の私にできる責任の取り⽅であるとの結論に⾄りました。」とようやく理由を表明。

自身の疑惑については「私⾃⾝に関して指摘されている⾦銭授受については、これま
で申し上げてきたとおり、そのような事実はなく、この点については、今も何ら変わるものではありません。」と従来通り否定を続けた。

「蔵内氏がここへきて辞任を言い始めた背景には金銭授受を巡る第三者委の調査が現実になったことがあるのではないかとみられています。」(地元記者)

ただ蔵内氏を巡っては、17日に議長職の辞職勧告決議案の採決予定されていたところ、蔵内氏の秘書出身の林泰輔県議(自民)が直前に採決中止を求める動議を提出し、これが通って採決自体が阻止された。

「地方選への影響を気にした自民党本部の圧力があったのでは?」

この直前に蔵内氏は自民党会派に、「しかるべき時期」に議長職を降りると伝達していたが、議長職から引きずりおろされるのを回避し影響力を残そうとする狙いがあったとみられ、議員を辞める気配はまるでなかった。

「地元で言われているのは、本人が望んでやめるはずがないということです。そして福岡県内には蔵内氏の首に鈴をつけられる人物はいません。
そうなると、結局来春の地方選への影響を気にした自民党本部の働きかけがあったのではないかと思いますけどね。実際、他県の自民党県議は福岡を見て『いい加減にしろ』と言ってましたからね」(福岡県政関係者)

「蔵内王国」「県議会のドン」との言葉が生まれるほどの力を持っていた蔵内氏がこれほど早く政界の表舞台を去ると言い出したことはほとんどの人には想定外だったようだ。

だが県議会関係者の一人は蔵内氏の辞任表明前から「王国は音を立てて崩れ始めている」と指摘していた。

「場当たり的に弥縫策を重ね、そのたびに火に油を注いでいました。収拾できるだろうと思って何かやってみても世論は収まらず、またやったけど収まらず、の繰り返しでした。話すたびに騒動が起きるので、メディアも彼が口を開けば何を言うか、期待するありさまでしたね」(同関係者)

追い詰められたドン

蔵内氏の存在が本格的に日本中に知れ渡ったのは、1泊10万円を超えるホテルを利用するなどの豪華海外視察が問題になった6月の記者会見で「海外旅行は続けます。あ、活動です」と笑顔で話したことだ。

その後、7月には県議会議長に就任する前に数百万円から1000万円という現金を自民党県議団幹部に払った、と議長経験者の吉松源昭県議らが告発。少なくとも4人の県議が同様の証言をすると、蔵内氏とともにカネを受け取ったと名指しされた当時の中尾正幸副議長は疑惑を否定しながら議員を辞職した。

「中尾氏が辞めれば沈静化すると思ったんでしょうが批判は続き、蔵内氏は拒んでいた第三者委員会の設置を受け入れる譲歩をしました。しかしこれを発表した8月5日、熊本の震災のさなかにネパールから帰ってきたばかりだった蔵内氏は、ネパールは『天国』だったと軽口をたたいてまた炎上です。

その翌日にはほとんど公開されていなかった県議の海外視察費用を県議会が公表しました。しかし3年弱の間に23回の海外視察が行なわれ税金が約2億6500万円使われていたとの発表にまた怒りが広がりました。

そして極めつけが17日の吉松県議が出した議長辞職勧告決議案がつぶされたことです。個々の議員が蔵内氏をどう評価しているのか知る機会が失われ、一気に批判が高まりました」(地元紙記者)

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