取り消しのあとに届いたお祝い
学生時代からの友人とは、メッセージアプリでほぼ毎日やりとりをしてきました。結婚の報告を、誰より先に伝えたい相手でもありました。「結婚式の日取りが決まったよ」。取り消しの表示が出たのは、私がそう送った直後のことでした。しばらくして、新しいメッセージが届きました。「おめでとう。よかったね」。それだけでした。いつもなら長い文章で茶化してくる彼女にしては、短すぎる返事でした。絵文字の1つもないことが、かえって気になりました。何を書いて、なぜ消したのか。聞けばお祝いに水を差す気がして、私はそのまま画面を閉じました。
短くなっていく返信
その日を境に、やりとりは目に見えて減っていきました。式場の写真を送っても、返ってくるのは一言だけで、会話が続かないのです。結婚が面白くないのだろうか。何かで怒らせてしまったのだろうか。考えるほど、消されたメッセージの中身ばかりが頭の中で膨らんでいきました。数週間が経って、私は思い切って送りました。「久しぶりにお茶しない?」。返事は、その日のうちに届きました。
