SNSに投稿された、メイク汚れのついたディズニーのぬいぐるみ。その写真をきっかけに、「購入前の商品を触る・撮る行為」をめぐってモラルを問う声が広がっている。
赤いメイク汚れがついてしまったぬいぐるみ
2025年10月、SNS上で1枚の写真が波紋を広げた。東京ディズニーリゾート内のディズニーショップ「ボン・ヴォヤージュ」で販売されていたベイマックスのクッションに、メイクのような赤い汚れがついていたのだ。
おそらくは買い物客の誰かがぬいぐるみを抱きしめるかして顔をうずめ、その際にメイク汚れが付着してしまったものだろう。
投稿者のきっしーさん(@psyche0008)が「こう言うのそろそろホントに辞めて欲しい。前にもインフルエンサーか誰かが自撮りあげて炎上してた気がするんだけど、せっかくのグッズがここまで汚れてしまったら売り物にならないよね」と声をあげると、Xでは賛同する声が多く上がった。
「ディズニーマジでこんなん死ぬほどあるんだよなぁ…」
「悪質すぎる、知らずに買って泣くやつやん……一番迷惑なのはディズニー側よなぁ」
「ぬいぐるみに顔突っ込んで写真撮ってた人がいたんだけど、棚に戻したぬいぐるみはキャストさんに回収されてた。化粧ついたらどうするんだろうと思ってたけど、やっぱ廃棄になるのかな?」
「こういうのも裏とか汚されてないか(前の人が触ったやつ)気を付けて確認をしてから買わなきゃいけないのか…」
当時の状況についてきっしーさんに話を聞くと、「非常に残念に感じました。周囲に子どももたくさん居ましたが、パッと見で血液にも見えたため、子どもの目につかないようにしました」と語る。その後、すぐに店舗スタッフへ報告すると、「申し訳なさそうな顔をして丁寧に対応してくださった」と振り返る。
もちろん、今回の汚れが客によるものと断定はできない。だが日ごろからディズニーショップに限らず、売り物のぬいぐるみをギュッと抱きしめている人を見かけるという声が多く、今回の件が論争に火をつけた格好だ。
購入前の商品との記念撮影もNG?
また、商品を汚してしまう行為がNGであることは言うまでもないが、それ以外にもマナーとして、「購入していない商品を持っての記念撮影」に関しても、するべきではないとの声が上がっている。
「買わないのに写真撮るの全然理解できない……。お金払う前まではお店のものだよ、汚したなら責任持って買って欲しい」
「ユニバのマリオ帽子とかまさに同じ感じで、買わないくせに被って自撮りするバカが多くて髪の毛付きまくってて最悪だった。自分のインスタに利用するなら売上に貢献しろよ。本当に卑しくて不愉快」
「国籍関係なく買いもしない商品と写真撮ってあたりまえのように戻す行為下品すぎる。でもほーーんとよく見かける」
「先週行ったけど、海外の二人組の若い女がミニーちゃんの大きめぬいぐるみ持って店内でフラッシュたいて撮影してた。サングラスかけたり髪の毛流したり色んなポーズして。終わったかと思えば交代して撮りあいっこ。ほんと嫌な気分になった邪魔だし。堂々とすることじゃない」
こうした行為について、ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの広報担当者に電話取材したところ、次のような回答が得られた。
「他のお客様のご迷惑となる行為については、ご遠慮いただいております。撮影であっても、他のお客様のご迷惑となる場合にはキャストからお声がけをさせていただいております」
一方で、「購入していない商品を抱きしめる・写真を撮る行為自体を禁止しているわけではないのか?」と聞くと、「他のお客様のご迷惑となる行為については、ご遠慮いただいております……という回答しか申し上げることはできません」との返答が。
このやり取りからは、明確に“禁止”とは言い切れないが、かといって“容認”しているわけでもないという姿勢がうかがえる。
また、汚損が確認された場合の対応については「発見次第、個別に対応している」とのことだった。
明確なルールがない以上、店頭での商品との向き合い方は私たち一人ひとりのマナーに委ねられている。それゆえ、もし過度な撮影や接触が続けば、いずれは販売方法そのものが制限され、本来マナーを守って楽しんでいる来店客までもが不便を強いられる日が来るかもしれない。
取材・文/集英社オンライン編集部

