宇宙空間からの「地球訪問者」といえば、未確認飛行物体(UFO)や地球外生命体(宇宙人)が、世界中で数えきれないほど取り沙汰されてきた。その中には「電波」があることをご存じか。
米オハイオ州立大学のビッグイヤー電波望遠鏡が、周波数1420MHz(メガヘルツ)の強力かつ極めて波長の短い電波シグナルを検知したことがある。この異常な電波をキャッチしたのは、天文学者のジェリー・エーマン教授。たまたま記録用紙の上に赤ペンで「Wow!」と書き込んだことで「Wow!シグナル」と呼ばれるようになった。1977年8月15日の出来事である。
そしてこの宇宙からの不思議な電波は「地球外生命体からの交信ではないか」として、天文学者の間で貴重な研究材料になってきた。
それから48年、ハーバード大の天文学者アビ・ローブ氏が、今年7月に観測された恒星間天体「3I/ATLAS」から発せられた電波の可能性がある、という仮説を発表した。サイエンスライターが解説する。
「『3I/ATLAS』は7月1日に、チリにあるATLAS(小惑星地球衝突最終警報システム)望遠鏡が初めて観測した恒星間天体です。NASAによれば、核の直径は最大で約5.6キロメートル、速度は時速約22万キロメートル。双曲線を描く軌道の形から考えて、太陽系外から飛来し、太陽系を通過する天体、つまり太陽系の外から来たものであることは間違いないとしています。ローブ教授によれば、この天体の位置は『Wow!シグナル』の方向からわずか9度しか離れておらず、ここまで一致する確率は0.6%しかないそうです。それが、この2つの天体の間にある、なんらかの因果関係を示す理由だとしています」
とはいえ「Wow!シグナル」は48年前に一度検知されただけで、その後に観測されたという記録はない。ただ、ローブ氏は近い将来、「3I/ATLAS」から発せられる電波放射が観測されれば「Wow!シグナル」の本質に迫る画期的データとなり、地球外知的生命体探査の歴史を大きく動かす学際的研究になるはずだとしている。
「NASAによれば、『3I/ATLAS』は今年10月30日頃、太陽から約1.4天文単位(約2億1000万キロメートル)の距離まで接近するものの、その最接近時でも、地球からは1.8天文単位(約2億7000万キロメートル)離れているため、直接的な脅威はないそうです。過去の軌道追跡により、この恒星間天体が太陽系外から来たことが明らかになっている以上、いったいどの場所からどこへ向かっていくのか。そして、地球外生命体との関連はあるのか。ローブ教授の仮説に、世界の科学者たちから熱視線が送られているゆえんです」(前出・サイエンスライター)
はたして10月末の地球最接近で、新たな事実が判明する可能性はあるのだろうか。
(ジョン・ドゥ)

