2018年3月、「世界の何だコレ!?ミステリー」(フジテレビ系)という番組で、座敷童子が出るという評判のある広島のお蕎麦屋さんをレポートすることになりました。
座敷童子!? 子供の霊みたいなものなのかな? まだ当時はユーチューブもやってませんでした。霊であるなら見たいし、当然ロケで行ってるんだから、テレビカメラに映ったらいいなというぐらいの感覚。半信半疑だったんですよ。
当時、ちょうど裸芸「丸腰刑事」でおなじみのアキラ100%さんとの共演もあって、世間から注目された直後で、“裸芸”ありきの台本で股間を隠すお盆が用意されていたんです。
でも、裸芸は僕のネタじゃありません。あれはあくまでも年末の「ガキの使いやあらへんで!」(日本テレビ系)の番組の中でのこと。だから「ここでやる必要はないです」と一度はお盆をお返ししました。でも、「いや、待てよ。本当に座敷童子がいるんだったら、その子に裸芸を見せるのはありだな」と思い直してやることにしました。お盆で股間を隠す裸芸が“子供の霊”に教育上、いいか悪いかわかんないですけどね。
「あのー、座敷童子さん、今から面白いことやりたいと思うんですけど、見たいですか?」
その部屋にいるとされる座敷童子に聞いてみたんです。心霊スポットでもそうなんですが、こういう場合、僕はイエスかノーかで答えられる質問しかしません。
「見たいですか?」
その部屋のどこからか、
「カキーン」
と甲高いような音が鳴ったんです。それを僕は「イエス」と判断して全裸になってカメラの前で“原田100%”をやりました。
すると、それまでずっと僕を正確に映していたカメラのピントがボケたんですよ。ひょっとして僕じゃない何かにピントを合わせてたんじゃないかと‥‥。
そこから始まって、うなぎ屋さん、パン屋さん、接骨院、スーパーの中の蔵の中‥‥座敷童子を探すレポートは青森から鹿児島まで全国27カ所行きました。
2021年11月、「降魔師」(を名乗る霊能力者)の阿部吉宏さんから連絡が来て、
「原田さん、座敷童子の〈みやこ〉を預かってほしいんですけど?」
阿部さんが言うには、〈みやこ〉は小さい頃に亡くなった少女の霊で、人間の家庭、家庭の味に飢えてるから、奥さんも子供もいる原田さんの家で預かってほしいと。
さらに阿部さんは、
「座敷童子だった〈みやこ〉を“躾けて”風車の中に入れました」
と言うんです。〈みやこ〉は最初から座敷童子ではなく、ある場所にいた“ただの少女の霊”でしたが、阿部さんは〈みやこ〉と遭遇した際に、「この霊は座敷童子になる素質がある」と判断をしたようです。
阿部さんは〈みやこ〉を自宅の道場に持ち帰り、座敷童子に躾けることができたというわけです。
心霊にどういう躾をしたら風車の中に入れられるのか? その方法は聞いてませんし、教えてくれませんでした。それは霊能力者特有の技、一子相伝のものなのか、何なのか見当もつきません。
みなさん、ここまで話についてこれてますか?
ウチに座敷童子が来る! 断る理由などありません。願ったり叶ったり。二つ返事で引き受けましたよ。
ワクワクしながら山形にある阿部さんの自宅まで行きました。〈みやこ〉は神棚にまつられてましたね。
なぜ風車なのか。それはまったくわかりません。
何でもよかったのかもしれないし、躾しやすかったのかもしれません。
ただ、紙と細い木でできた風車は持ち運びにくいんですよ。例えば、ある程度、太さがあって重みのある物であれば無造作に鞄に入れられますけど、いかにも柔な作りの風車ですから。
折れたり潰さないようにしないといけないので、移動にはプチプチを巻いたりして気を遣いました。
よく〈みやこ〉に何か感じるものがあったかと聞かれますが、それがまったく何もありません。ただの風車でした。
我が家ではリビングに置いてました。ウォーキングに連れて行ったり、トレーニングしてる横に置いたり‥‥。夜中に勝手に回ってるかもしれないですけど、監視カメラを置いてるわけじゃないのでわかりません。
でも「居るもの」と思って生活してました。起きたら「おはよう」、寝る前には「おやすみ」と一応声かけるわけですね。
預かり期間は2~3年の期間限定。サッカーで言うところのレンタル移籍ですかね。ずっといると「人間の体を欲しがる」という説明を受けました。悪いものになるらしいんです。〈みやこ〉がそういった悪いものに移行するタイミングが気になっていた妻は「返さなくていいの?」と心配してましたね。阿部さんに話したところ、「そろそろ」と言うのでお返ししました。その後、速やかに成仏させたと聞いてます。
我が家にいる間、その気配すら感じなかった〈みやこ〉ですが、1回だけ役に立ったことがありました。
娘がアイポッドのイヤホンをなくしたんです。なくした可能性のある場所は、妻の車の中かリビング。でも、車にはなかった。
そうなるとリビングですよね。ソファをどかしたり、ソファの下の絨毯をひっくり返しても出てこないので困り果てました。
「そうだ! まだ〈みやこ〉がリビングにいた」
〈みやこ〉だったらイヤホンの行方を一部始終見てるはずだと。阿部さんを通してみやこに聞いてもらったんです。
「〈みやこ〉はリビングにあると言ってますよ」
散々探したリビングでしたが、もう一度探したら、ソファの下から出てきたんです。
イヤホン騒動は、〈みやこ〉がみずからの存在を示したのかもしれませんね。
原田龍二(はらだ・りゅうじ)1970年生まれ。東京都出身。92年ドラマ「キライじゃないぜ」で俳優デビュー。「水戸黄門」「相棒」シリーズなど出演多数。温泉バラエティ「湯一無二」(MX)のほかユーチューブ「ニンゲンTV」ではゴーストハンターとしても活躍中

