スーパーGTのチャンピオンチームであるTOM'Sにとって、第7戦オートポリスは悪夢のような週末となった。レース序盤〜中盤は1号車au TOM'S GR Supra、37号車Deloitte TOM'S GR Supraが2台とも優勝争いに絡んでいたが、2台は突如としてトラブルに見舞われ、チェッカーを受けられなかった。
彼ら2台は3時間のレースが残り1時間を切ったところで緊急ピットイン。共にメカニックがフロントグリルの汚れを掃除する姿が映し出されていた。そして一旦はコースに復帰した2台だったが、結局はガレージにマシンを戻した。
エンジン吸気や冷却に使う空気の通り道であるフロントグリル。そこが詰まってしまうと、エンジンに不具合が生じてしまうことは想像に難くない。ピット作業では表面的な汚れを綺麗にすることはできるが、内部まで詰まってしまったものはどうしようもない。結局急場凌ぎの処置では改善が見られず、今回のレースから投入されたトヨタのスペック2エンジンに無理をさせないためにも、リタイアを選んだという。
TOM'Sの山田淳総監督は、37号車Deloitteは笹原右京がターン1でコースオフしており、さらには前の車両を抜こうとした際に少しコースを外れたりしたため、その影響が大きかったのではないかと語る。
一方で1号車auに関しては、チームにもドライバーの坪井翔にも明確な心当たりはない様子。ただ、写真を見ても分かるように1号車のグリルは汚れており、中央部に少し破損の跡も見られる。大きなタイヤカスなどのデブリが侵入した可能性もあるかもしれない。
「運が悪かったとしか言いようがない、という印象ですね」と語る坪井。パワーが落ち始めた時のフィーリングについては「徐々に徐々に、というよりは突然バンっと落ちたような感じでした。そこから元に戻ったり、また落ちたりという波は少しありましたが、復活することはありませんでしたね」と説明した。
スーパーGTにおけるTOM’Sの2台ノーポイントは、auがピットミス、Deloitteがペナルティに泣いた2023年開幕戦岡山以来2年半ぶり。ただ、今シーズン強さを見せてきた1号車auは未だポイントリーダーの座を守っており、37号車Deloitteも厳しい状況には置かれたもののわずかながら逆転タイトルの可能性を残している。
前人未到のシリーズ3連覇のかかる坪井は「前回のSUGOと今回のオートポリスと流れが悪く、個人的にも反省すべきところはあると思います。(最終戦)もてぎはすぐにやってくるので、しっかり反省をした上で優勝だけを目指して、36号車(1号車)らしい形でチャンピオンを決めたいです」と意気込んだ。
山田総監督も「今回は非常に残念なレースだった」としつつも、「最終戦に向けて悪いポジションではありません。特に1号車に関しては基本的には14号車(ランキング2番手の14号車ENEOS X PRIME GR Supra)の前でゴールすればいいという話ですから。しっかりと振り返り、反省して、強い気持ちで最終戦に臨みたいです」と締め括った。

