2021年の東京オリンピックにはバスケットボール女子日本代表として出場し、銀メダルを獲得。その明るいキャラクターでバラエティー番組にたびたび登場するのが、180センチ79キロのパワーフォワード、馬瓜エブリン(ENEOSサンフラワーズ所属)だ。
女子バスケの名門、桜花学園高校からアイシン・エィ・ダブリュ ウィングス(現アイシン ウィングス)を経て、トヨタ自動車アンテロープスへ移籍。休養期間を挟んで、2023年からデンソーで復帰を果たした。
と同時にこの年には日本バスケットボール選手会の副会長に就任。選手の待遇改善を求め、積極的にSNSを活用するなどして声を上げてきた。
そんな彼女が日本バスケットボール協会に批判の矛先を向けたのが、2024年9月だった。パリ五輪での大敗の責任を取る形で、事実上の引責辞任となった恩塚亨ヘッドコーチの処分に触れると、協会の強化部門トップである東野智弥技術委員長が続投することに自身のXで怒りをブチまけ、疑問を呈したのである。
〈静観しようかと思ってたんだけど、(来年)6月までやるって知って無理だ。(中略)明らかに組織崩壊してて、現場と感覚ズレてて、任命責任あるのに選手に責任転嫁する人がまた次も決めるのなんで? やめた後また責任取らないのに? 上手くいかなくて、でも形にしようと、もがいていた選手、スタッフは喪失感すごくて、任期満了していい思いできるのは1人っておかしいと思わないのかな。本当に失礼極まりない〉
馬瓜がここまでブチ切れた背景を推察し、スポーツ紙記者はこう語る。
「理事会での発表後、記者会見に臨んだ東野氏は、1次リーグ敗退を『私の責任』としながらも、選手名を具体的に挙げて、十分なパフォーマンスが発揮できなかったことを問題視するなど、現場に責任があるかのような発言が目立ちました。しかし、東野氏に任命責任があったことは事実。選手会の副会長として現場の状況をよく知る馬瓜『冗談じゃない!』という思いが強かったのでしょう。その怒りがそのまま、Xへの投稿に繋がったということでしょうね」
東野氏(現在は「名古屋ダイヤモンドドルフィンズ」代表取締役社長兼GM)は、国内トップリーグなどでコーチ歴任し、2016年に設立された日本バスケットボール協会の技術委員会で技術委員長に就任。その後、日本代表の強化などを総括してきたオーソリティーだ。
ただ、協会関係者の中には、Bリーグ人気で男子バスケにばかり肩入れしてきた協会に不満を募らせていた女子側のフラストレーションが、現場に限定した処分発表で一気に爆発したのでは、との声があった。
最前線で活躍する現役選手から猛然と批判をぶつけられるとは、実に情けない失態といえよう。
(山川敦司)

