
「ガンダムハンマー」は「ハイパーハンマー」よりもトゲがマイルド。「RG 1/144 RX-78-2 ガンダム Ver.2.0用武器セット」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ
【比較画像】えっ、並べるとだいぶ違う 「ガンダムハンマー」と「ハイパーハンマー」
サッカーボール入れで実験した思い出
アニメ『機動戦士ガンダム』の「ガンダムハンマー」は、実に不遇な武器といえるでしょう。第5話「大気圏突入」で「セイラ・マス」が「ガンダムハンマー『しか』出せない」と言い、「アムロ・レイ」も「それでいいです」と答えており、その程度の扱いだったことがうかがえます。
とはいえ、真似してみる子供たちはやはりいたようです。マグミクスが配信した記事「『ガンダム』アムロにも不評? 不遇の武器『ガンダムハンマー』の本来の使い方とは」には、子供のころにサッカーボールとそれを入れる紐付きネットで真似してみたことがある、といった体験談が寄せられました。
しかし結果は散々だったようで、「紐を握ってるとうまく投げられないし、手元に戻ってきたボールもうまく掴めませんでした」とか。投げ縄のように振り回すにしても「重心の移動も含めて上手くコントロールしないと、結局自分に当たってダメージを受けてしまうくらい難しかった」というわけです。
「自分も振り回して遊んでたけど紐がブチ切れて飛んでいったw」「ガンダムハンマー知らなくてもたぶんやるよね子供なら」といった声も聞かれました。
こうした実体験から浮かび上がるのは、鎖付き鉄球の本質的な難しさでしょう。「剣や銃って何となく感覚で使い方分かるけど、鎖付き鉄球って投げてぶつける以上は分からない」との指摘にあるように、直感的に扱える武器ではないのです。モビルスーツを操縦して使いこなすとなれば、ある程度は機械が自動でやってくれるであろうとはいえ、相応の習熟も必要でしょう。
宇宙空間ならさらに困難なはずです。「特に無重力の宇宙空間では制御が難しい。前に振り下ろすと機体ごと前方回転してしまう」という問題があり、「パイロットが目が回って止まった所を撃破される可能性がある」というのもうなづける話でしょう。
実際『∀ガンダム』の「ロラン・セアック」は、ガンダムハンマーしか使える武器がない武器庫を見て「ふざけてるのか?」とキレ気味でした。普段は聖人のような彼でさえ、この反応なのです。
そう考えると、第5話でアムロが見せた戦いぶりは驚異的といえるでしょう。機体姿勢の面では、安定するよう高度な制御がなされていた可能性はあります。しかし、宇宙空間で、実戦経験もほとんどない状態で、あの扱いにくい武器を使いこなし「シャア・アズナブル」率いる部隊から「ホワイトベース」を守り切りました。子供時代にサッカーボール入れを体験した人なら、その凄さが身に染みて分かるのではないでしょうか。
「ジム」など、その後の連邦機にハンマーが採用されなかったのも、こうした実用性の問題が大きかったと考えられます。
かつて子供時代にガンダムハンマーを真似して痛い目に遭った少年たちは、今や大人になり、その実体験から、ガンダムハンマーの不遇さを誰よりも理解しているに違いありません。それでもなお魅了され続けるのは、やはり「ロマン」という名の何かが、鎖と棘付き鉄球の組み合わせには宿っているからなのでしょうね。
