テーマは『移住』で、3,000〜1万字
本の文章量は3000〜1万字。原稿用紙でいえば7枚半から25枚ということになる。こう書くと長いように思うかもしれないが、ThunderVoltのウェブ記事が3,000〜5,000字であることを考えると、むしろ短い(この記事は約3,300文字)。その長さで起承転結をつけて話をまとめる方が大変だなぁと思った。
テーマは『移住』。都会への移住、地方への移住。今、社会的に話題になっている海外からの移住。もしくは、異星や異世界への移住。移住する側、受け入れる側の目線。移住する勇気、移住者が来ることによって起こる諸問題。いろんな切り口を見つけることができ、ドラマティックな展開が期待できそうなテーマだ。

2日目には、執筆している本の、一部原稿を、プロの声優が読んでくれるというイベントが行われた。自分が書いた文章を、自分の創造したキャラクターのセリフを、プロの声優が演じてくれるという機会は滅多にないことだろうから、これは著者の人にとってはすごく楽しいイベントに違いない。朗読してくれた声優は、伊利也さん( @IRIYA_voice )と、小松叶さん( @kkanae0507 )。

執筆は、基本的には2日目の12日までに終え、3日目は編集の取りまとめや、本としてのパッケージング、プレゼンテーションなどに費やされる。プレゼンテーションは編集者から。作った本を、いかに売れる本としてプレゼンテーションするかも編集者の仕事というわけだ。

たしかに、本の表紙のデザインや、プレゼンテーションの出来不出来も「読みたい」という気持ちを大きく左右する。普段の仕事としてのプレゼンテーションとは違い、一緒に作り上げた本を少しでも買ってもらおうとすると、熱意が入る。

ちなみに審査員は、作家でHON.jpの理事である藤井太洋さん、作家の内藤みかさん、小説家でWeb開発者の高橋文樹さん、ライターで書評家の嵯峨景子さん、編集者・文芸評論家で大正大学表現学部教授の仲俣暁生さん。この方々に読んでもらえるというだけで、ちょっとわくわくする。また、デザイン審査員としてデザイナーのナカノケンさんも参加している。

現在審査中で、結果発表・授賞式は11月16日とのこと。
本の売行きも審査の参考になるということなので、こちらから購入したり、リンクをシェアしたりすると、一般読者も結果に影響を与えられるかもしれないというのも面白いところだ。力作揃いなので、ぜひ買って読んでみていただきたい(筆者も何冊か買った)。
本はこちらから購入できる
https://www.noveljam.org/2025/10/10598/
小説を読む楽しみもあれば、書く楽しさもある。もっと参加者が増えて、大きなイベントになると面白いと思う。単に小説が書けるというだけでなく、編集者、デザイナーとタッグを組んで本をカタチにすることで、出版というのがどういう仕組みで動いているかを疑似体験できるところも良いイベントだなぁと思った。
(村上タクタ)