
北条司原作の伝説的作品「キャッツ・アイ」の完全新作アニメの第4話「夜間飛行は危険な香り」が10月17日に配信された。第4話では、来生三姉妹が怪盗キャッツアイなのではないかと疑う敏腕刑事・浅谷光子(CV:日笠陽子)が登場し、「強キャラ浅谷くん来たー!」「ハラハラドキドキ」「知的でクールなライバルが好きなので今後も活躍してほしい」といった声が上がった。(以下、ネタバレを含みます)
■令和版の浅谷も手強いキャラクターに
「キャッツ・アイ」は1981年から1984年まで「週刊少年ジャンプ」で連載された北条司の連載デビュー作で、1983年にテレビアニメ化されて大ヒットを記録。今作では原作へのリスペクトを感じさせながらも“令和”の時代にアップデートされている部分も多く、原作ファンや1980年代に放送されていた旧アニメのファンだけでなく、若い層からも注目を集めている。
長女・泪(CV:小清水亜美)、次女・瞳(CV:小松未可子)、三女・愛(CV:花守ゆみり)の来生三姉妹は、昼は喫茶店「CAT’S EYE」を営み、夜は美術品を盗む“怪盗”という2つの顔を持っている。3人が狙うのは父親がかつて収集していたコレクションと父親が描いた絵画。それらを集めることによって、行方不明になっている父親の手がかりが見つかるのではないかと思っている。それと、“キャッツアイ”と名乗って予告して派手に盗むことで、自分たちの存在を父親に気付いてもらいたいという思いも込められている。
第4話では浅谷が登場。原作コミックでも第5話から登場しているキャラクターで、キャッツアイにとってかなり手強い、やっかいな人物でもある。ショートカットとメガネがトレードマークで、頭脳明晰(めいせき)。いろいろなデータが頭の中に入っている。本庁のサイバーセキュリティー対策本部にいたが、犬鳴警察署の刑事・内海俊夫(CV:佐藤拓也)らがキャッツアイを何度も取り逃がしているため、テコ入れのためにやってきたのだ。
浅谷の頭にはすでに犬鳴署の刑事たちのデータが入っていて、武内純一(CV:奈良徹)が非番の日に居酒屋でハメを外している様子や、平野猛(CV:平川大輔)がゲームに夢中になってVRゴーグルを着けたまま階段を踏み外して足を捻挫したことまで把握している。
俊夫に関しては、昼休みに「CAT’S EYE」に入り浸っていること、この日は手持ちのお金がなくてツケにしてもらったこと、昼休みを10分過ぎてもまだ店内にいたこと、さらには俊夫が瞳と付き合っていることも知っていた。これまでのキャッツアイの犯行のデータを調べ、浅谷は「署内に内通者がいる」と推測。その有力候補が俊夫だった。
浅谷が人間観察に優れていて、洞察力が高く、頭脳明晰というところは原作のイメージ通りだが、サイバーセキュリティー対策本部にいたこと、事前に俊夫らのことを徹底的に調べ上げていたこと、キャッツアイの過去の犯行の手口も調査済みだというのは今回の新アニメでのアップデートされた部分。
うまく令和のキャラとしてアップデートされているので、浅谷のイメージに違和感がなく、より“手強い”感じになっているところで面白さが増している。浅谷とは対照的に、電子マネーを使わず、現金主義な俊夫はアップデートされてなくて、それはそれで俊夫らしい感じがする。
■キャッツアイの予告状の“匂い”から三姉妹を疑う浅谷
都立美術館に絵画「ライン川」をいただきにあがります、というキャッツアイからの予告状が届いた。この「ライン川」もクラナッフ作とされているもの。浅谷とコンビを組まされた俊夫は、2人で都立美術館に聞き込みに行くが、予告状が届いたときの館内の様子は浅谷がすでに確認済み。そのあたりも抜かりなしだ。
キャッツアイの予告状の匂いをかいだ浅谷は、何かに気付く。急いで美術館を出て向かったのは「CAT’S EYE」だった。敵地に乗り込むような雰囲気で浅谷は「CAT’S EYE」の店内に入り、コーヒーをオーダーして名前を名乗った。瞳だけでなく、泪や愛のことも知っていると言わんばかりの挑発的な雰囲気を醸し出し、探りを入れていく。
浅谷がここにやってきたのは“香り”を確かめるため。昼に俊夫が「CAT’S EYE」でコーヒーをこぼし、瞳にハンカチで拭いてもらい、そのハンカチの匂いを署内でかいだ浅谷。そしてカウンターでコーヒーを飲みながら、瞳に近づき、瞳が「夜間飛行」という香水を使っていることを本人に確認し、キャッツアイの予告状にも同じ匂いがしたと伝えた。
「刑事だから鼻が効くの」と冗談っぽく言っていたが、香水の匂いから共通点を導き出すのは、俊夫や武内、平野には無理だろう。瞳たちも、まさかそんなことに気付く刑事がいるとは思ってもいなかった様子。痛い所を突かれ、瞳と泪はポーカーフェイスでとぼけて見せるが、高校生の愛はちょっとムキになるなど、危うさもチラリと見え隠れ。店を出るときには浅谷がしっかりと「犬鳴署に配属になったのは、キャッツアイ捜査のテコ入れのためなんです」と堂々と宣戦布告した。

■目の付け所が鋭い…三姉妹を追い詰める浅谷
翌日から「CAT’S EYE」の前にあるベンチで仕事をして過ごす浅谷。そうして瞳らの行動を監視し、犯行予告当日も喫茶店前で張り込み、いよいよ犯行時刻20分前になると店内に入り、「私は私で捜査中です」と言って、3人がいるかどうかを確認し始めた。
瞳はカウンターにいて、愛も店内に顔を出す。泪は横浜にオーケストラのコンサートを鑑賞しに行っていると伝えると、パソコンで調べてコンサートがすでに終演していることを知り、「コンサートの感想が聞きたいからビデオ通話でつないでほしい」と要求。
キャッツアイのハイテク担当といえば、三女の愛。こういう事態も予測していて、別室でモーションキャプチャーを使って泪になり切り、終わったばかりのコンサートの内容をパソコンで調べながら、しっかりと感想を伝えることに成功した…かに見えた。
しかし、浅谷とのビデオ通話の中で、一人称を“僕”と言ってしまう場面があり、そういうドジを踏んでしまうところは愛っぽい。瞳がフォローしてごまかし、ホッとしたのもつかの間。さすがサイバーセキュリティー対策本部出身。再度ビデオ通話にするよう要求し、泪の後ろに大きな観覧車が映っているが「背景がパソコンの壁紙のような雰囲気」と指摘した。
■令和ならではのハイテクな頭脳戦を展開
ここからは浅谷と愛のハイテクな頭脳戦。別室で愛が“泪”を演じているんじゃないかと勘付いた浅谷は、再度ビデオ通話で泪を呼び出した。パソコンの壁紙だと決めつけていた浅谷だったが、画面の中の泪が移動し始め、観覧車に乗ったことで自身の推測が違っていたことに気付き、しかも愛もカウンターに現れたのでパニック状態に。
そんな中、キャッツが予告通り現れたという連絡が俊夫から入り、悔しさいっぱいで店を飛び出していった。
終盤のビデオ通話での仕掛け。これが今回の大きな見どころと言えるだろう。フェイク動画なども容易に作れる時代になっているからこそ、映像を使った仕掛けやトリックもバリエーションも増えていて、真偽を確かめるのが難しい。浅谷も仕事柄、フェイク動画にも詳しいが、愛の念には念を入れた仕掛けにいっぱい食わされた感じとなった。
浅谷にとって大きなミスとなったが、一度のミスで諦めたりする性格ではない。むしろ、闘志に火がついて、さらに瞳たちへの監視がきつくなりそう。俊夫にとっても、瞳たちにとってもやっかいな人物が現れてしまった。
なお、「キャッツ・アイ」は前編の第1話から第6話が9月26日から10月31日(金)まで、後編の第7話から第12話は12月26日(金)から2026年1月30日(金)まで毎週金曜に1話ずつ順次ディズニープラスのスターで独占配信される。
◆文=田中隆信
※記事内、作品名の「キャッツ・アイ」の『・』はハートマークが正式表記

