2025年のF1は残り5戦。チャンピオン争いは大接戦となりそうな様相だ。しかし現在ランキング首位のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、ライバルが迫ってくる中でも自信を失っていない。
ピアストリはアメリカGPのF1スプリントでは接触によるリタイアに終わり、決勝も5位フィニッシュと苦戦。その結果、ランキング2番手でチームメイトでもあるランド・ノリスに14ポイント差、同3番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に40ポイント差まで接近されてしまった。
遡ること4戦前、ピアストリが勝利したオランダGP時点では、このポイント差がそれぞれ34点、104点だったことを考えれば、劇的な変化だと言える。
フェルスタッペンとレッドブルがパフォーマンスを大きく改善している一方で、ピアストリは以前のような圧倒的強さを発揮できていない。しかしピアストリは自信を失ったりはしていないようだ。
「他のふたりより、僕の今の位置のほうがいいからね」と、ピアストリは言う。
「もちろん、今週末は期待したり、望んでいたようなものではなかったよ」
「以前とはかなり異なる週末だった。アゼルバイジャンも確かにちょっとした災難だったけど、全く違う理由だったし、シンガポールもそうだった。だから今週末は他と比べても異質な週末だったんだ」
フェルスタッペンが強さを発揮している中、以前よりも脅威に感じる存在となっているのか? そう訊かれたピアストリは、こう答えた。
「必ずしもそうじゃない。彼は確かに近づいてきているし速くなっている。でも僕にとって最大の関心事は、何故今週末がこうも厳しかったのかを解明して、シーズン前半のような調子を取り戻すことにあるんだ」
「そこが一番の集中すべきポイントだ。あの調子を取り戻すことができれば、結果はついてくるはずだ」
また、始めてタイトル争いを経験するマクラーレン勢に対して、昨年まで4度連続で王者に輝いているフェルスタッペンには、経験から来るアドバンテージがあると考える人も多い。しかしピアストリもF2とF3で王者となった経験があるため、そのことが「自分にとって上手くいく可能性を示す証拠だし、今もチャンピオンシップを勝てると完全に信じている」と主張する。
フェルスタッペンには心理的な優位性があるのか? その点を問われたピアストリは、次のように答えた。
「いや、絶対にそうというわけじゃないだろう。確かにこの数戦で彼はいい走りをしているけれど、僕達がまた自分たちの進む道やペースを取り戻すことができれば、大きな懸念はないよ」
「チャンピオンシップはまだ先行きは長い。特にマックスにとってはね。接近していることは明らかだけど、残り5戦でこの差は決して小さくはない」
「だから再び僕がペースを取り戻すことができれば、結果はついて来ると思う」

