レッドブルのチーム代表であるローレン・メキーズは、アメリカGPを7位で終えた角田裕毅について、その成長は賞賛しているものの、現状で「満足してはいけない」と語った。
今季の日本GPから急遽レッドブルのドライバーを務めることになった角田は、多くのレースで苦しみ、なかなかポイントを獲得できることができなかった。そのため、来季もレッドブルに残れるかどうかはかなり厳しい状況であることは間違いなく、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコ博士は常々、「メキシコシティGPの後には決断を下すつもりだ」と語ってきた。
一方で角田のチームメイトであるマックス・フェルスタッペンは調子を取り戻した。特に夏休み明け以降の勢いは凄まじく、当初は今季のチャンピオンを争うのは無理だと白旗を挙げていたものの、アメリカGPを終えた段階でランキング首位のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)とのポイント差が40にまで縮小。明らかに射程圏に捉えた。
もしチームメイトの援護射撃を受けられれば、フェルスタッペンがタイトルを奪還する可能性は高まるだろう。マクラーレン勢が、ふたりのドライバーを平等に扱うと公言している現状であればなおさらだ。
チームメイトによる最高の援護射撃……現状ではそれは、フェルスタッペンとマクラーレン勢の間でフィニッシュし、マクラーレン勢の獲得ポイントをひとつでも多く奪うということである。角田はアメリカGPで7位に入ったが、マクラーレン勢は彼の前でフィニッシュしており、ポイントを奪うことはできなかった。
アメリカGPの決勝終了後、メキーズ代表には記者団から、「ユウキが果たせる役割は何なのか? ユウキはマックスを助けることはできないのか?」との質問が飛んだ。これについてメキーズ代表は、次のように語った。
「いくつかの役割があると思う。ひとつは、コンストラクターズランキングの争いが、まだ続いているということだ」
今季のコンストラクターズチャンピオンは、マクラーレンが早々に獲得を決めた。しかしレッドブルは、フェラーリやメルセデスと、ランキング2番手を激しく競い合っている状況。そのためには1ポイントでも多く獲得する必要がある。
「勝利のためではなく、他の要素も絡んでいるということだ。つまりユウキがポイントを獲得するのは、不可欠なことなんだ」
メキーズ代表は、さらに次のように続けた。
「ユウキが速ければ速いほど、試したいことを2台のマシンに分散させることができる。この週末の間にも何度かお伝えしたとおり、こちらのマシンであるテストをして、もう1台のマシンで別のテストを行なうということができる」
「だから非常に速いユウキがいるということは、我々にとってとても重要なんだ」
「そして競技という側面……バトル、戦略という面では、ユウキはもっと調子を上げてくれれば、いずれ2対2の展開に持ち込むことができる可能性もある」
アメリカGPではF1スプリントと決勝いずれも7位となった角田。しかし決勝では、勝ったフェルスタッペンから52秒も遅れてのフィニッシュだった。この結果に「彼には十分な実力があるのか?」という辛辣な質問も飛んだ。
これに対してメキーズ代表は、次のように語った。
「ご存知のとおり、我々は常にもっと良い結果を求めている。あなたの数字は正しいから、これで十分だとは思わない。これで十分なんだと、あなたに言うつもりはないんだ」
「誰もそんなことは思っていない。ユウキだってそうは思っていないんだ。ただ私が言いたいのは、2レースともにポイント圏内に入ったということだ」
「2レースとも、非常に良いスタートを決めた。2レースとも、素晴らしい1周目だったんだ。今年ここまでの成績と比べても、進歩と言えるだろう」
「しかしこれで十分かと言われれば、もちろんノーだ。もし私が『十分だ』と言ったら、それは嘘になる。ましてやユウキも、私が『これで十分』と言ったら、喜ばないだろう」
角田には、さらなる成長、そして結果が求められている。それは当然のことである。メキーズ代表の言葉は厳しくも、「ユウキにはそれができるはず」という期待も込められているように感じられる。

