小泉進次郎氏が高市早苗内閣で防衛大臣への起用が内定し、日本国内では驚きをもって受け止められている。この人事は「経験不足」の懸念と「次代を担う政治家として安全保障経験を積ませる狙い」という二面の評価が併存しているとされる。
小泉氏はこれまで環境大臣、農林水産大臣、内閣府特命担当大臣(原子力防災)などを歴任しているが、防衛省での勤務経験や防衛副大臣・政務官経験は一切ない。確かに小泉氏の地元は米海軍横須賀基地を抱える神奈川県横須賀市であり、国防や自衛隊の関係には比較的近い立場にあるが…。
「国会では衆議院安全保障委員長を務めた経歴があり、安全保障政策に関する議論には一定の関与をしてきました」(政治部記者)
肯定的な見方としては「防衛大臣は首相の統制下にあるため、政治的判断と組織統率が重要で、専門的な軍事知識は必ずしも最優先ではない」というものがある。
一方で、国防政策や安全保障の知見不足を懸念する声は非常に多く、「判断力・戦略眼に欠ける」「防衛省を統率できるのか不安」との批判が根強くみられるのも事実だ。
大きな問題は、トランプ政権との対峙だ。防衛協力強化が議題となる中で、経験不足の大臣が外交・防衛交渉の場に立つことへの不安は残る。
「とりわけ対米調整や日韓防衛協力において、専門家の助言を的確に政策へと反映できるかが焦点となるでしょう」(前出・政治部記者)
トランプ政権との駆け引きにおいては、日米防衛協力と防衛費分担をめぐる難しい交渉が中心になるとみられている。トランプ大統領は「同盟国の負担増」を主要政策に掲げており、日本に対しても防衛費のさらなる拡大と対米装備調達を求める姿勢を鮮明にしている。
「アメリカ政府は日米安保体制の見直しをにらみながら、日本に対米投資の拡大と共同防衛経費の増額を強く求める方針を打ち出しています。日本は防衛費GDP比2%達成を既に表明していますが、トランプ大統領は3%目標を求める発言をしており、圧力が強まる公算大です」(与党関係者)
さらにトランプ政権はアメリカ製装備の購入拡大を求める可能性があるが、小泉氏は「納品遅延是正」を論点化しており、一方的な譲歩を避ける構えを見せている。
トランプ大統領と個人的関係を築いた安倍晋三元首相のような「信頼ベースの対話」が再現できるかは未知数ながら、高市・小泉コンビが「現実的な保守外交」を前面に出して交渉すれば、形式的な摩擦を回避できる可能性はあろう。
小泉氏に求められるのは、発信力よりも「トランプ流リアリズム」に即したディール力、つまり主張すべきところでは譲らず、同盟深化で信頼を築く実務的外交判断なのである。

