ソフトバンクの「メジャー流編成方針」に、球界から「時期尚早だ」の声が出ている。日本ハムとのクライマックスシリーズ・ファイナルステージを制し、10月25日から始まる日本シリーズに臨むソフトバンクは、その2日前に実施されるドラフト会議には、小久保裕紀監督が出席しないという。
小久保監督に代わり、城島健司チーフベースボールオフィサー(CBO)が出席し、指名が競合した場合はくじを引く。長いドラフト会議の歴史で、監督が出席しないのは異例の事態。これはソフトバンクが推し進める「現場」と「編成」を完全に分離し、チームを多角的、長期的に強化していくという意欲の表れによるものだ。
地元メディア関係者が言う。
「ソフトバンクには将来的に、ワールドシリーズの優勝チームと真の世界一を決める『世界シリーズ』をやりたい、という希望が前々からあり、日本シリーズ10連覇を掲げていますからね。将来を見据えたチーム強化に踏み切るのは当然のこと」
しかしこれまで日本球界では、ドラフト会議は現場の最高責任者である監督が出席し、他球団の指名状況を踏まえて指名に関わってきた。もちろん、ドラフト会議の開始直前まで現場と編成のすり合わせは行われるだろうが、当日はどんな状況になるか、分からないのがドラフト会議だ。
「ある意味、メジャー流ですよ。例えば大谷翔平のドジャースにしたって、デーブ・ロバーツ監督は希望は伝えるものの、実際のドラフトやトレードには口を出さないでしょう。与えられた戦力で戦っているわけです。それは他球団も同じ。ただ、日本でそれがすぐにできるか、疑問ですが」(スポーツ紙デスク)
最近では失敗例がある。スポーツ紙デスクが続ける。
「DeNAがそうですね。今季限りで編成部門トップの萩原龍大チーム統括本部長が退任となりますが、チーム強化に関しては彼が全権を握っており、三浦大輔前監督の意向がほとんど反映されなかった。三浦前監督退任の原因のひとつといわれています。日本ではメジャーリーグのように、現場経験が一切ない人間が編成のトップに立つには、まだまだ時間がかかるということ。ソフトバンクの城島CBOは元選手なので、そこは問題ないでしょうが。現段階では小久保監督もドラフト会議に出席して対応するのがベターでしょうね」
今回のシフトバンクの判断が奏功するか、実に興味深いのである。
(阿部勝彦)

