阪神は9月18日、広島とのカード最終戦(マツダ)を2-7で快勝した。今季は19勝6敗となり、19勝は1963年、2003年に並ぶ広島戦最多勝だ。
ただ勝利はしたものの、阪神ファンを困惑させたのは佐藤輝明内野手が2試合連続でのベンチ外となったことだった。
佐藤は15日の中日戦(甲子園)で2打席連続ホームランを含む、3安打5打点の活躍。38本塁打、96打点となり、40本、100打点の大台到達に向けファンの期待も高まっていた。ところが17日からの広島2連戦では、両日とも球場入りして練習も行っていたが、ベンチ外だった。
山下幸志チーフトレーナーは18日の試合前、「疲労がたまっている状態。コンディション不良ということですね。数日間、回復に充てないとダメかなというところで外してもらっています。ケアと回復を優先させるために本日帰阪してもらい、また明日以降、確認しながらチームには報告していこうかなと思います。そんな大きなあれ(不調)はないんですけどね」と説明。
同日の試合後、藤川球児監督は「本人もゲームに出たかったし、選手たちと一緒に(広島のファンに優勝を)報告したかったと思いますけど、ちょっとコンディションのことがありますから。また1日1日体が良くなるように、先に(関西に)戻しました」と語っていた。
阪神OBの今成亮太氏は、佐藤の疲労蓄積について19日放送のABCテレビ「おはよう朝日です」で、独特な表現を使いこう語っていた。
「プロ野球の疲れ方ってどういうことか。体はまず、しんどいです。どういうふうに、しんどいかというと、水の中でスポーツしなさいと言われてるような感覚です。この時期は体が張りすぎて体が重たいんです。何をしても気持ちよくいかない。そんな状態が続いているので、回復しましょうという時期じゃないかな」
阪神ファンにとっては、この際、十分に休んでほしいが、40本、100打点も達成してほしいという複雑な気持ちではないだろうか。
(鈴木十朗)

