2025年シーズンからウイリアムズに加入したカルロス・サインツJr.は、チームに再び黄金時代をもたらすことが「人生のプロジェクト」になったと明かした。
サインツJr.はレッドブル傘下のトロロッソ(現在のレーシングブルズ)でF1デビュー後、ルノー、マクラーレン、フェラーリと渡り歩いた。ただフェラーリが7度のF1世界チャンピオンであるルイス・ハミルトンと契約を結んだため、跳ね馬を離れることとなった。そしていくつかのオファーを熟考した末、サインツJr.は改革が進むウイリアムズを選んだ。
ウイリアムズは1980年代から1990年代にかけてドライバーズタイトルを7回、コンストラクターズタイトルを9回獲得した名門だが、2012年以来は勝利に手が届いておらず直近5年以上はグリッド後方に沈んできた。
しかし2023年から、かつてメルセデスF1の戦略ディレクターを務めたジェームス・ボウルズがチーム代表として加入し、長期的な組織改革プロジェクトが実施されてきた。
サインツJr.のウイリアムズ加入初年度は、チーム順応を進める中で不運にも見舞われてきた。チームメイトのアレクサンダー・アルボンが計70ポイントでドライバーズランキング7番手につける一方で、サインツJr.は計16ポイントでランキング番手となっている。
しかし困難なシーズンながら、サインツJr.は今後半年という短期的な目標を明かすと共に、ウイリアムズを再びF1の頂点に押し上げることを究極の目標に据えた。
「ウイリアムズのように若いプロジェクトに参加し、彼らと共に頂点に立つことほど、僕の人生で幸せなことはない」とサインツJr.はMotorsport Weekに語った。
「アスリートが成し得る最高のストーリーとは、ファミリーを築き、そのファミリーと共に勝利を収めることだと思う」
「ウイリアムズは良い環境だ。昨年と比べて、その点で既に大きな進歩を見せている。そして何より、F1で最も歴史あるチームのひとつを勝利の道に戻すことほど、僕を駆り立てるモノはない」
「ジェームスにはいつも言っているが、これは今や僕の人生プロジェクトであり、実現させたいことなんだ」
ウイリアムズの長期計画は、サインツJr.がボウルズ代表率いるチームへの加入に踏み切る一因となったもの、同時にサインツJr.は今後半年に集中することを望んでいると語った。
「僕は短期的な視点で考え、半年ごとに段階を踏んで進めることを好む」とサインツJr.は言う。
「半年ごとの区切りで考えたい。僕らは今、来年のマシンを決めているところだ。同時にレースチームやグランプリ週末の実行力を向上させるために6ヵ月も残っている。来年のマシンが今年のマシンよりも大きな目標を争える可能性を確実にしつつ、今年のようなグランプリ週末の実行力でのミスを繰り返さないためだ」
「だから僕はF1で常に6ヵ月先を見据える。ドライバーが影響力を発揮できるのはそこからだ。シミュレータ開発も、レースチームの戦略構築も、週末の運営体制も、全てが次の6ヵ月間のプロジェクトで形になる」
「だから僕は常に6ヵ月先のビジョンを持ち、6ヶ月後にどこに到達したいかを明確にしている。そこで僕は最大の影響力を発揮しようとしている」

