アルピーヌのピエール・ガスリーは、かつてのチームメイトであり、プライベートでも仲の良い角田裕毅について、「自分のスキルを最大限に発揮できる可能性を見極める必要がある」と語った。
角田の厳しい状況が続いている。角田は今季第3戦日本GPからレッドブルのドライバーに抜擢されたものの、その後の14戦で獲得したのは僅か9ポイント。チームメイトのマックス・フェルスタッペンに大きな差をつけられている。しかもレーシングブルズのアイザック・ハジャーがオランダGPで3位入賞を果たしたため、来季のシート維持が危ぶまれる状況である。
これについてどう思うかという質問が、FIAの公式記者会見に出席したガスリーに飛んだ。ガスリーはかつて角田のチームメイトを務め、今も公私共に仲の良い間柄。そういう側面もあるが、ガスリーも角田と同じとように、レッドブルで苦しい時期を過ごした経験がある。
ただガスリーは、レッドブルからアルファタウリ(現レーシングブルズ)に戻されて以降は優勝も経験。今ではアルピーヌのエースドライバーとして、なくてはならない存在となった。
厳しい状況からどう立ち直ったのか? 角田にアドバイスできることはあるか? そう尋ねられたガスリーは、次のように語った。
「ひとりひとりの状況はそれぞれ特殊で、僕らひとりひとりがそれぞれ異なる方法でそれに対処、処理しているんだ」
そうガスリーは語った。
「個人として、そしてアスリートとして、それぞれがどうあるかということによって変わってくる。何が自分に合うのか、それとも合わないのか……どうしてそういうサポートが必要なのか」
「僕はユウキと、そういうことを常にオープンに話し合っている。僕らは良い関係を築いているからね。でも最終的には、彼がパフォーマンスに集中するための最善な方法を見付ける必要があるんだ。結局のところ競技において重要なのは、自分が発揮するパフォーマンスだからね」
「自分がどんな限界に直面しているのか、自分のスキルを最大限に発揮できる可能性がどこにあるのかを理解する必要がある」
ガスリーはそのためにも、周囲からの雑音を遮断する必要があるとアドバイスを送る。
「重要なのは、雑音をシャットアウトすることだと思う。常に色んな議論や、雑音が渦巻いている。それを気にしないような方法を見つける必要があるんだ」
「でも結局のところ、毎朝起きて、『どうすれば今やっていることをもっとうまくできるだろうか』と考えるしかない。順調な時も、厳しい時も、この自問自答だけが、自分のことを前進させてくれる」
「願わくば、彼が年末までそれを続けてくれることを願うよ」
なお角田およびガスリーのかつての”恩師”とも言えるフランツ・トスト(元アルファタウリ代表)も、ガスリーと同じようなことを語っていた。
「チームメイトより0.5秒から1秒遅れたら、昼夜問わずパドックにこもるか、遅れの原因が分かるまでデータを徹底的に分析する。ユウキはまだその境地に至っていない」
「才能はあるが、残念ながらその欠点を補うほどの勤勉さや努力が足りない。今後さらに成長できるかは彼次第だ。間違いなくレベルアップが必要だ」

