
二宮和也が主演を務める映画「8番出口」(公開中)が、第30回釜山国際映画祭<ミッドナイト・パッション部門>に正式出品され、共演する河内大和と川村元気監督がオープニングカーペットイベントに登場。さらに同日深夜に行われた公式上映の舞台あいさつに二宮も合流した。
■映画「8番出口」が大ヒット中
原作はインディーゲームクリエーター・KOTAKE CREATE氏による同名のゲーム。「地下鉄の通路を進み、“異変”が見つかれば引き返す」「1番出口、2番出口…と進み、8番出口に到達すれば脱出成功。ただし異変を見落とすと最初に戻される」という独特さが話題を呼び、口コミや実況動画などを通じて人気が拡大。累計販売本数200万本を超える世界的ヒットを記録した。
二宮主演で映画化され、8月29日に全国407館(IMAXを含む)にて公開。公開3日間で観客動員67万人、興行収入9.5億を記録し、3日間の興行収入で2025年公開の実写映画1位の好スタート。その後も数字は伸び続け、公開から20日間で観客動員234万人、興行収入33億円を突破した。
この度、同作が9月17日から9月26日(金)に開催する第30回釜山国際映画祭<ミッドナイト・パッション部門>へ正式招待され、韓国プレミアが開催された。同部門は、スリラー、ホラー、アクション、ダークファンタジーなど、ジャンルの垣根を超え、挑戦する作品をラインナップしオールナイトで上映する部門のこと。深夜の上映プログラムにも関わらず、いち早く話題作をチェックしようと映画ファンがつめかけることで度々話題を呼んでいる。
■“歩く男”がレッドカーペットに登場、「おじさん!」の歓声も
映画祭初日である9月17日の夜6時、「映画の殿堂(別名:釜山シネマセンター)」にて行われたレッドカーペットイベントでは、劇中のキャラクター“歩く男(おじさん)”に扮(ふん)した河内が、川村監督とともに登場。
両サイドでカメラを構えるマスコミのフラッシュを浴びながら、笑顔で手を振る川村監督に対し、映画から飛び出したようにまっすぐ背筋を伸ばした姿勢のまま歩きながら、時折不気味な笑顔を向ける“歩く男”(河内)。表情が変わるたびに、客席からは笑いと驚きの声が続出した。場内からは「おじさん!」と声があがるシーンも見られた。
初の海外映画祭初参加となった河内は、「もう…感動しましたね」と一言。「開幕式では、世界の第一線で活躍されている俳優や監督たちが一堂に集まってこんなに華やかな世界があるのかと驚きました。“歩く男”に扮(ふん)してレッドカーペットを歩くのはとても緊張しましたが、車から降りた瞬間に『おじさん~!』って声がしましたし、私が笑うたびに悲鳴と歓声が入り混じったリアクションも見られて、本当に歩いてよかったです(笑)」と、ほっとした様子を見せた。
■韓国初上映は深夜にもかかわらず満員
9月17日深夜0時には「ハヌルヨン劇場」にて<ミッドナイト・パッション部門>公式上映が行われた。主演の二宮も合流し、河内、川村監督と共に上映前舞台あいさつに登壇した。
深夜の上映にも関わらず、およそ700席は満席。韓国初お披露目となる舞台あいさつを前に、二宮は「開幕式の様子は映像でチェックしていましたが、日本から出品している作品も多く、すごい場所になっているなと思いました。公式上映はなかなか観るのが難しい深夜の時間帯ではありますが、楽しんでいただきたいですし、ぜひ韓国の皆さんにも『8番出口』を受け入れていただきたいです」と、意気込みを語った。
■二宮和也、実写化の話には「何を言ってるんだろうと思った」
観客からの割れんばかりの拍手で出迎えられた3人は、「アニョハセヨ!(こんにちは!)」と、満面の笑みで手を振りながら登場。同作に出演することになった経緯を聞かれると、二宮は「ある日、川村監督に急に呼ばれて、『8番出口』を実写映画化したいと言われて、率直に『何を言ってるんだろう』と思いました。原作にはストーリーがないため、まずはどういう風に映画化をしていくのか構想を聞かせていただき、普通の映画ではない特殊な設定が逆に楽しそうだなと思い引き受けました」とコメント。
河内は、“歩く男”のキャスティング経緯を尋ねられると、「私が出演したある舞台をたまたま川村監督が観劇していたのですが、その内容が歩くシーンを象徴的に描いており、オファーをいただきました。私は舞台にずっと出演してきて、体を使うことが得意だったため、今回の“歩く男”にぴったりはまったのだなと思います。本当にタイミングがよかったですね」と話した。
「深夜に集まっていただきありがとうございます。スマホやテレビで映像を観る時代ですが、本作品は映画館で観るために作りました。色々な意味で待たなければいけない、次に何が起こるのかを予想しなければいけない、鑑賞後も色々考えなければいけない作品です。スマホをおいて95分間、『8番出口』の世界に没入してほしいですし、ここにいらっしゃるみなさんが韓国で初めて観る方々なので、ぜひ韓国中に広めてほしいです」と川村監督が締めのコメントをし、幕を閉じた。

