2025年7月発売の古川琴音さんの写真集『CHIPIE』のカット（講談社）
【画像】え…っ？ 「こんな美人だったんだ」 コチラがやなせさんの秘書が出会った頃の暢さんです
最終回はのぶの生前か死後か
『アンパンマン』の作者、やなせたかしさんとその妻の暢さんをモデルにしたNHK連続テレビ小説『あんぱん』の、特別編の放送が発表されました。それぞれ別の登場人物が主人公のスピンオフドラマと、出演者の座談会を盛り込んだ25分の特別番組が、2025年9月29日（月）～10月2日（木）のNHK総合夜11時から11時25分まで、4夜連続で放送されます。リストは以下の通りです。
●9月29日（月） 第1回「健ちゃんのプロポーズ」（15分）主人公「辛島健太郎（演：高橋文哉）」＋『あんぱん』主演・今田美桜、『ばけばけ』主演・髙石あかり対談（10分）
●9月30日（火） 第2回「メイコの初舞台」（15分）主人公「辛島メイコ（演：原菜乃華）」＋河合優実×原菜乃華×高橋文哉×大森元貴による座談会（10分）
●10月1日（水） 第3回「男たちの行進曲」（15分）主人公「いせたくや（演：大森元貴）」＋今田美桜×北村匠海による対談 前編（10分）
●10月2日（木） 第4回「受け継ぐもの」（15分）主人公「中尾星子（演：古川琴音）」＋今田美桜×北村匠海による対談 後編（10分）
チーフプロデューサーの倉崎憲さんのコメントによれば、特別ドラマは「本編で描かれなかった物語」が、「1シチュエーション」で描かれます。
このなかで、最終の第26週を補完する物語となるのが、4夜目の中尾星子が主人公の「受け継ぐもの」で、こちらは「嵩とのぶのもとで働く星子の決意」が描かれるそうです。
『あんぱん』で主人公「のぶ（演：今田美桜）」の茶道教室の生徒として登場した星子は、1992年から2013年にかけて、やなせさんが94歳で亡くなるまで秘書として働き、現在はやなせさんの作品を管理する株式会社やなせスタジオの代表取締役を務める越尾正子さんがモデルと思われます。
越尾さんがやなせさん、暢さんとの思い出などをつづった著書『やなせたかし先生のしっぽ: やなせ夫妻のとっておき話』（小学館）によると、彼女は1992年春、43歳でそれまで勤めていた協同組合を特に理由なく辞めたそうです。そして越尾さんが、20代の頃から茶道教室で知り合っており92年当時はお茶の先生をしていた暢さんに会社を辞めたことを報告すると、暢さんはいきなり「あら、うちで働かない」と言ってきたといいます。
当時、やなせさんの仕事を手伝っていた暢さんの妹の瑛さん（河合優実さん演じる「朝田蘭子」のモデル）が高齢で体調不良になったため、後任を探していたとのことです。越尾さんはやなせさんのもとで働くという提案を受けて、「ものを作り出す人は、恐ろしく繊細な神経を持っているに違いない」「私は正反対の粗雑な性格だから、絶対無理だ」などと考え、断ろうと思いつつ数日悩みます。しかし最終的に、提案を断ったら暢さんの教室に通いづらくなると思い、「お茶を続けるため」に有限会社やなせスタジオに就職したそうです。越尾さんの心配とは裏腹に、やなせさんはいつも彼女にやさしく接してくれたといいます。
暢さんはアニメ『それいけ！アンパンマン』が始まった1988年にがんが見つかっており、当初は余命3か月と言われていました。その後回復するもがんは進行し、越尾さんが入社して1年余りの1993年11月22日、暢さんはこの世を去ります。やなせさんは失意のなかでもたくさんあった仕事を続けたとのことで、越尾さんは暢さんが亡くなったことでやなせさんの生活が不便になることは避けなければならない、「そうしなければ奥さんが一番悲しむ」と、そこからやなせさんを20年支え続けました。
第4夜で描かれる「嵩とのぶのもとで働く星子の決意」が、どの段階でのどのような決意なのは不明で、のぶの生前の話なのか死後の話なのかも分かりません。スピンオフドラマはあくまで本編を補完する話と発表されており、最終回のその後は描かれないと思われます。
古川琴音さんが星子役を務めることが解禁された際の古川さんや倉崎さんの公式コメントでは、『アンパンマン』の魅力に早くからほれ込む星子は「やないさんとのぶさんを最後まで支え、2人の想いを引き継ぎアンパンマンを次の世代へ繋げている」「やない夫婦の意志を受け継いでいく」存在であることが語られていました。この内容を見ると、最終回までにのぶの死が描かれる可能性も高そうです。
『あんぱん』26週の予告では、入院しているのぶの姿も映されました。最終回はのぶが生きているうちに終わるのか、残された「柳井嵩（演：北村匠海）」たちのその後も描かれるのか、気になるところです。