本日2025年10月22日に、M5搭載モデルとして発売されるiPad Pro、MacBook Pro、Vision Proの『Pro』三兄弟のうち、ある意味もっともユーザーを選ぶ製品のひとつが、このiPad Proだろう。13インチモデルで厚さ5.1mm、11インチモデルでも5.3mmの厚さに、過去の多くのMacさえ凌駕するスーパーパワーを秘めたiPad Proの登場である。
薄さの中に、クリエイティブのための性能が詰まっている
iPad ProにM5搭載モデルが用意された。M4の時はiPad Proだけが先に搭載して、約半年後になってようやくMacBook Proシリーズが登場したが、今年は、MacBook Pro、Vision Proと一緒にM5を搭載しての登場である。

ある意味多くのMacを凌駕するパワーを搭載しているので、絵を描くにせよ、動画を編集するにせよ、まったく不足はないモデルといってもいいだろう。何百枚のレイヤーを重ねたPhotoshopファイルや、ProRAWの8K動画でも編集できるパフォーマンスだから、クリエイティブの最強マシンだといえる。
ただし、お値段もそれなりで、11インチモデルは16万8800円から、13インチモデルは21万8800円から。それぞれ256GBモデルの価格なので、クリエイティブワークに必要な容量を確保し、Apple Pencil Pro、ケースなどを買い、念のためにアップルケアに入ると、すぐに30〜50万円の買い物になる。まさにプロ向けのモデルだ。

タンデムOLED搭載で美しく高精細なUltra Retina XDRディスプレイ、4スピーカーオーディオ、背面の1200万画素カメラ、表面の1200万画素センターフレームカメラ、最大10時間のWi-Fiでのインターネット利用、ビデオ再生など、なにもかも申し分ない。
グラフィック描画とAI処理の性能をさらに向上
さっそく、Geekbenchにかけて、ひとつ前のiPad Pro(M4)、そして現行のiPad(A16)、iPad mini(A17 Pro)、iPad Air(M3)の性能を計測してみよう。ちょうど、それぞれチップセットが異なるので大変わかりやすい。

右側の3台はそれぞれ、M3、M4、M5なので、性能の推移が非常にわかりやすい。対して左側の2台は、iPhoneのチップセットをベースとしており、iPhoneの性能の高さもよく分かる結果だ。
こうやってグラフにしてみると、パフォーマンスの違いがはっきりする。

同じiPadでも、小学校などでも使われるiPad(A16)と、iPad Pro(M5)にはここまでの差があるのかと思うとちょっと驚く。しかし、iPad(A16)でも日常使用にはまったく不足がないのだから、いかにM5に高い性能が奢られているかよくわかる。

GPUだとさらに差が広がる。M4の計測値がちょっと低く出てしまっていた可能性もあるが(計測時の状況によって、多少増減するので)、それでもM5はグラフィック性能に秀でているのは確かだろう。
次は、ローカルで動作したAIのパフォーマンスを判断するためにNeural EngineをGeekbench AIで計測した。

ここでは、特に量子化の数値において、M4とM5が群を抜いていることがよくわかる。この2モデルがApple Intelligenceが発表されてから発売されたので、やはりAIのニーズが明確になってから、Neural Engineの開発により力を入れたということなのだろう。ここでも、iPad Pro(M5)の性能の高さは際立っている。