先日の「ディーン・フジオカ離婚」報道には少々、驚いた。あのイケメンで爽やかな雰囲気、トーク番組に出演した際に奥さんや子供のことを嬉しそうに話す姿からは、「離婚」なんて想像もしなかったからだ。まあ、イケメンだろうとブサイクだろうと、離婚する時はするのだが。
香港や台湾での活動がメインだったディーンの名前が世に広く知られるようになったのは、なんといっても2015年のNHK朝ドラ「あさが来た」で五代友厚を演じたことから。突如として現れたイケメンに、世の女性たちは「おディーン様」「五代様」と色めき立ち、まさにブームの様相を呈した。
劇中で病に倒れた五代が亡くなった時などは「五代ロス」と呼ばれる現象まで起こったほどだ。
2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」でディーンは再び五代友厚を演じ、作品こそ違えど「五代・ディーン」の再登場に歓喜の声が溢れたことは記憶に新しい。
そんなディーンは日本で発見されるよりも前の2012年に、中国系インドネシア人の女性と結婚し、3人の子供を授かるも、日本での活動が忙しくなったことで、長らく別居婚状態が続いていた。
そのあたりが離婚の原因かどうかは知らないが、今回の離婚発表について「ディーン様が私たちの元にお戻りになられた」とでも言うような喜びの声が、一部SNSでは上がっている模様。別にフリーになったからって、あなた方にディーン様の再婚相手となるチャンスが訪れるわけでもあるまいに、他人の離婚を喜ぶようなことを書き込むとは。
そんな渦中の人が、10月21日の「じゅん散歩」(テレビ朝日系)にスペシャルゲストとして出演。番組10周年記念の一環として、とのことだが、なんのことはない、同局でこの日からスタートする新ドラマ「ちょっとだけエスパー」にディーンが「花咲か系エスパー・桜介」なる役で出演しており、いわばその番宣だ。
高田純次とディーンは池袋を散歩。サンシャインシティ内のショップや水族館を巡ったのだが、訪れたスヌーピータウンショップで、店員さんが「ご夫婦で買われる方もいますね」とTシャツを勧めると、高田が「これ、じゃあ2つ」と言って購入し、ディーンにプレゼントしたのだ。
高田からの「夫婦Tシャツ」を笑顔で受け取ったディーンだったが、見ている側からしてみれば、つい数日前の離婚発表を知っているだけに、微妙な気分に。
高田もディーンも半袖で、街ゆく人々の多くがまだ日傘を差していたところから、おそらく9月頃に撮影されたと思われるのだが、はたしてこの時のディーンの心境は、いかなるものだったのだろうか。
よくバラエティー番組などに、急逝した有名人が出演していたりすると、「この番組は〇月〇日に収録されたものです」「〇〇さんのご冥福をお祈りします」といったテロップが出るが、この日の「じゅん散歩」にも視聴者が混乱しないよう、その手の表記がほしかった。
高田もきっと「なんだぁ、そうと知ってたら自腹でプレゼントなんてしなかったのに。返してくれる?」と言っていることだろう。
(堀江南/テレビソムリエ)

