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『ばけばけ』史実見るとトキはいずれ東京に住む? ラフカディオ・ハーンは「東京大嫌い」だったが

『ばけばけ』史実見るとトキはいずれ東京に住む? ラフカディオ・ハーンは「東京大嫌い」だったが


『ばけばけ』主人公のトキを演じる高石あかりさん。画像は「高石あかりファースト写真集 幻灯」(東京ニュース通信社刊)発売時の写真

【画像】え…っ! 北川景子級? コチラが実の母が「松江藩随一の美女」と言われた、トキのモデル「小泉セツ」さんです

セツさんよりも10年くらい早く「東京を見ている」トキ

 2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は『知られぬ日本の面影』『怪談』などの名作文学を残した小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)さんと、彼を支え、さまざまな怪談を語った妻の小泉セツさんがモデルの物語です。

 第4週目では、松野家を出奔した夫「銀二郎(演:寛一郎)」を探しに、主人公「松野トキ(演:高石あかり)」が東京へやってきています。彼女は大好きな銀二郎ともう一度暮らしたいと思っているものの、彼から松江に戻らず一緒に東京に住もうと提案されると、戸惑いを見せました。

 松江にはトキがずっと一緒に暮らしてきた養家の松野家や生家の雨清水家の人びと、親友の「野津サワ(演:円井わん)」もおり、彼女が迷うのも当然です。トキが今後「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」と結婚することは確定しているため、松江に戻るのは間違いないのですが、どういった理由で銀二郎と別れることを決めて東京を去るのか、注目が集まります。また、今後東京は再度重要な舞台になると思われます。

※ここから先の記事では『ばけばけ』のネタバレにつながる情報に触れています。

 トキのモデルである小泉セツさんは、1886年に前田為二さんという男性を婿養子に迎えて結婚しましたが、彼は1年ほどで家を出ていってしまいました。そこまではトキと同じですが、セツさんが為二さんを追いかけていった場所は大阪です。

 セツさんは結局為二さんを連れ戻せず、1890年に彼と正式に離婚しました。そして、翌年の1891年に当時松江の尋常中学校の英語教師をしていたラフカディオ・ハーンさんと出会い、結婚します(1896年に正式に夫婦となり、ハーンさんは小泉八雲に改名した)。

 セツさんは結婚後、ハーンさんの仕事に合わせて、松江から熊本、神戸と各地を転々とします。そして、1896年9月にハーンさんが東京帝国大学の講師の職を得たため、セツさんは初めて東京に移住しました。

 セツさんは1904年にハーンさんが亡くなった後にまとめた著書『思い出の記』のなかで、ハーンさんが神戸から東京に移る際「三年より我慢が難しい」と言ったことを振り返っており、「ヘルン(ハーンさんの呼び名)はもともと東京は好みませんで、地獄のようなところだと申していました」とも語っています。

 しかし、セツさんは東京を見たいという「かねての望み」があり、ハーンさんは苦労しながら、いい住居を探したようです。武家の娘として教養のあったセツさんは長年、東京(江戸)の風情に惹かれており、また当時珍しかった外国人の妻として奇異の視線で見られることもない、東京の暮らしを気に入ったといいます。セツさんは1932年に亡くなるまで、東京に住み続けました。

 一方、もともと日本に強い興味を持って来日したハーンさんは、都会化、西洋化した場所を好まなかったらしく、セツさんも『思い出の記』で「ヘルンは辺鄙(へんぴ)なところ程好きであったのです。東京よりも松江がよかったのです。日光よりも隠岐がよかったのです。」と述べていました。ハーンさんは新聞記者をしていたアメリカ時代に一時期住んでいた、大都市ニューヨークのことも嫌いだったそうです。

 史実通りなら、『ばけばけ』の主人公夫婦も物語の後半でいずれ東京に移住することになり、ヘブンがそれを嫌がるという展開があるかもしれません。トキはセツさんと違って一度東京を見ているという設定なので、その際にどういったことを言うのかも気になるところです。

参考書籍:『八雲の妻 小泉セツの生涯』(著:長谷川洋二/潮出版社)、『セツと八雲』(著:小泉凡/朝日新聞出版)、『思い出の記』(著:小泉セツ/監修:小泉八雲記念館/ハーベスト出版)

配信元: マグミクス

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