【闇バイトから抜け出せない理由】
しかし、組織の上層部が登場すると一変。幹部のジョージ(田邊和也さん)は笑うと金歯がキラキラして気味悪いし、ジョージの部下で指示役の佐藤(嶺豪一さん)は、人使いが荒く乱暴。
「仕事は与える、成功報酬もやる。けれど失敗したら命はいただくよ」という犯罪組織の怖さが表れると、タクヤとマモルが都合のいいように扱われているゲームのコマのような存在だというのがわかります。
本人たちは重々承知しているけれど、命が惜しいから抗えない。そしてまた次の仕事の依頼が来る……。闇バイトは延々とループしているから、なかなか抜け出せないのです。
【闇から抜け出すために命を懸ける!】
闇ビジネスから抜け出すために、タクヤは唯一信頼できる兄貴・梶谷剣士(綾野剛さん)を頼ります。そして、裏社会の運び屋の彼はボスに内緒でタクヤのために人肌脱ぐ!
タクヤをこの世界に引っ張り込んだ梶谷は彼に対して申し訳ない気持ちを抱いているからこそ助けるのです。そしてマモルをこの世界に連れて生きたタクヤもマモルに対して申し訳ない気持ちがある。だから一緒に逃げようと彼に内緒で準備をしていたのです。
この思いやりの連鎖がよかった。やってきたことは悪事ですが、その中で生まれた友情があり、その絆が闇社会から抜け出す原動力になるのです。
後半は追いかける組織と逃げるタクヤたちの逃走劇。死に物狂いで人生を取り戻そうとする姿はスリリングかつ胸熱でした。

