9月20日(土)、21日(日)にスポーツランドSUGOで行なわれるスーパーGT第6戦。次戦以降はサクセスウエイトの係数が減少するため(第7戦ハーフウエイト、最終戦ノーウエイト)、各車のハンデ差が大きくつくレースがこれが今季最後……そのため、ここまで苦戦しているチームやメーカーとしては、是が非でも勝っておきたいレースと言える。
今季のGT500クラスは、トヨタ陣営のGRスープラが抜きん出た速さを見せており、ここまで5戦4勝。先月の鈴鹿戦で、前年から続く連勝が9(スプリント含む)でストップしたばかりだ。ランキングトップから4番手までスープラ勢が占めており、1号車au TOM'S GR Supra、14号車ENEOS X PRIME GR Supra、38号車KeePer CERUMO GR Supraは燃料流量3段階ダウン(95.0kg/h→88.0kg/h)、#37 Deloitte TOM'S GR Supraは2段階ダウン(95.0kg/h→90.2kg/h)という大きなハンデを背負っている。
それだけパワーダウンしてしまえば、上位に食い込むのは非常に困難……なのだが、そんな上位勢に追い風となりそうなのが予選日の天気。20日はサイトによって予報にばらつきがあるが、予選が行なわれる14時台、15時台に弱い雨が降る可能性がある。ウエットコンディションになればパワー不足による影響が少なくなるため、燃料流量リストリクターによる制限を受けるチームにも、上位グリッドを確保するチャンスがあると言える。
今季ここまで優勝がないホンダ陣営としては、SUGOではサクセスウエイト差を活かせる安定したコンディションを望んでおり、土曜の雨予報は頭が痛いところかもしれない。HRC(ホンダ・レーシング)の佐伯昌浩ラージ・プロジェクトリーダーは、第5戦鈴鹿の決勝後にこう語っていた。
「(決勝で)急に雨が降ったりするのだけはやめてほしいですね」
「クラッシュに巻き込まれたりとか、セーフティカーが入るタイミングでガラッと順位が入れ替わったりするような、波乱の展開にはなってほしくないです。当然、我々は(搭載ウエイト量が)軽いですから、なるべく前の方からスタートして逃げるレースをやらないといけませんから、安定した条件を期待しています」
なお決勝日に関しては現状降水確率は低く、気温25℃前後のドライコンディションでレースがスタートすることになりそう。ルーティンピットのタイミングに関しては、レース途中でセーフティカーが入ってしまうリスクを嫌い、いわゆるミニマム周回(レース距離3分の1)付近で入るのが定石の戦略になるだろう。
ただポイントリーダーの1号車au TOM'Sにとっては、ハンデが厳しい中でライバルのスープラ勢に対して点差を縮められないことが重要になるため、セーフティカーのリスク云々以上に、ライバルの出方を見たピット戦略が求められそうだ。

