世界女王が大ピンチだ。
9月19日、東京世界陸上7日目は女子やり投予選が行なわれ、パリ五輪女王の北口榛花が世界陸上連覇を目指して登場。60メートル38と伸び悩み予選Aグループを終え8位にとどまり、決勝進出は21時開始予定となるBグループの結果次第となった。連覇に向け女王は予選敗退の窮地に立っている。
チケットは完売。日本陸上界のヒロインが場内で紹介されると、超満員の国立競技場は大歓声が上がった。
決勝進出には3投のうち62メートル50以上または上位12名に入ることが絶対条件。予選トップバッターで登場した世界女王はホームの大声援を受け、まず1投目で60メートル31を記録。スタンドから「うおおおお!」と大きな歓声が上がり、本人は「(決勝進出に)あとちょっと」というようなジェスチャーをコーチに送り、ホッとしたように胸に手を当てた。
暫定4位につけた北口。2投目は60メートル38をマークし、1投目よりも7センチ伸ばしてきた。予選最後の3投目は暫定7位で迎え、58メートル80と60メートルに届かず伸び悩んだ。
北口と同組の上田百寧は2投目に60メートル49を記録。3投目に勢いをつけて身体が倒れるようにビッグスローをみせたが、惜しくもファールと判定されて7位に終えた。
今シーズンは、6月下旬に右肘炎症を起こし7月の日本選手権を回避。その後は回復につとめて8月にようやく復帰した。3連覇のかかったダイヤモンドリーグ・ファイナルは60メートル72で最下位(6位)だったが、復活への大きな一歩を歩んだ。
北口は22年オレゴン大会で女子フィールド種目で日本勢初の表彰台。23年ブダペスト大会は最終投てきで大逆転して金メダルを獲得。東京大会で連覇となれば、日本女子史上初の快挙となる。
▼女子やり投げ予選Aグループ結果
1位 ヴィラゴス 66メートル06
2位 リトル 65メートル54
3位 アングロ 63メートル25
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7位 上田百寧 60メートル49
8位 北口榛花 60メートル38
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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