
『ばけばけ』主人公のトキを演じる高石あかりさん。画像は「高石あかりファースト写真集 幻灯」(東京ニュース通信社刊)発売時の写真
【画像】え…っ! 北川景子レベル? コチラが実の母が「松江藩随一の美女」と言われた、トキのモデル「小泉セツ」さんです
トキは本来の名前になる?
2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は『知られぬ日本の面影』『怪談』などの名作文学を残した小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)さんと、彼を支え、さまざまな怪談を語った妻の小泉セツさんがモデルの物語です。
第4週目では、松野家を出奔した夫「銀二郎(演:寛一郎)」を連れ戻しに、「松野トキ(演:高石あかり)」が東京へやってきました。トキは銀二郎から松江に戻らず、一緒に東京で暮らそうと言われ、葛藤しています。
第1話の冒頭で描かれた通り、トキとこれから来日してくる「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」が夫婦になることは確定しているので、もうすぐ彼女と銀二郎が別れるのは間違いありません。また、史実を見ると、彼女には今後、離婚以外に大きな「転機」があるようです。
※ここから先の記事では『ばけばけ』のネタバレにつながる情報に触れています。
トキのモデル、小泉セツさん(1868年生まれ)は、生後7日で生家の小泉家の親戚の稲垣家に養子に出され、1886年に前田為二さんという男性を稲垣家の婿養子に迎えて結婚しました。しかし、為二さんは借金を抱えた稲垣家の貧しさや、養祖父の万右衛門さんから受ける厳しい重圧などに耐え兼ね、1年ほどで出奔してしまいます。
セツさんは為二さんを迎えに大阪まで行くも、冷たくあしらわれてしまい、ふたりは離婚することになりました。
セツさんと為二さんの正式な離婚が成立したのは、1890年1月13日のことです。その際、セツさんは松江市役所で、離婚だけでなく生家の小泉家に復籍する手続きを行い、稲垣セツから小泉セツに戻りました。
ただ、記録によれば、セツさんはその後も稲垣家の人びとと暮らしたそうです。それでも復籍した理由に関しては、夫の小泉湊さんに先立たれ困窮する、実母のチエさんを助ける目的もあったと言われています。
そして、セツさんは1891年2月頃に、住み込みの女中としてラフカディオ・ハーンさん(当時、松江の尋常中学校の英語教師をしていた)と出会い、同年に夫婦となりました。そして、ハーンさんは1896年2月に帰化してセツさんと正式に結婚し、小泉八雲に改名しています。
トキも今後どこかのタイミングで、雨清水家に復籍するのでしょうか。ネット上では、トキが雨清水家に戻れば「うしみずとき」と、「丑三つ時(うしみつどき)」に近い響きの名前になることが以前から話題になっていました。第1話で松野家総出で「丑の刻参り」をしていたのも、伏線だったのかもしれません。
怪談好きのトキらしい名前ですが、今後どうなるのでしょうか。
※高石あかりさんの「高」は「はしごだか」が正式表記。
参考書籍:『八雲の妻 小泉セツの生涯』(著:長谷川洋二/潮出版社)、『セツと八雲』(著:小泉凡/朝日新聞出版)
