ヤマハのファビオ・クアルタラロは、MotoGPで競争力のないマシンに「苦戦」してきた数年間を経て、2026年には勝てるマシンが必要だと訴えた。
ヤマハは新型V4エンジン搭載プロトタイプバイクの開発が最終段階に突入。MotoGP参戦以来一貫して採用してきた直列4気筒のエンジンレイアウトからの大幅な転換となる。
ヤマハ陣営の他のライダーからはプロトタイプバイクについて前向きな評価も聞かれるが、クアルタラロは現行マシンより「劣る」と断言。「全ての問題を解決するものではない」と指摘した。
今週末のマレーシアGPでは、V4エンジンを搭載したバイクでアウグスト・フェルナンデスが2度目のワイルドカード参戦を行なうが、クアルタラロは2026年以降の自身の将来を見据えつつ、ヤマハの次期マシンに大きな期待を寄せていると語った。
「速いマシンが必要だ。優勝できると実感できるマシンが必要だ。そして、あらゆるセッション、あらゆるスプリント、あらゆるGPでトップ3、トップ5を争える準備が整ったマシンが必要だ」
「僕の期待は明確だ。もちろん難しいだろうけど、それが必要なんだ。長年苦戦してきたが、今は勝てるマシンが欲しい」
11月にバレンシアで行なわれるポストシーズンテストは、ヤマハがV4エンジンの開発進捗を評価し、他車との性能比較を行なう重要な機会となる。クアルタラロは前回テスト以降のマシンの進化を楽しみにしている一方、その真価を確認するには2026年プレシーズンテストまで待つ覚悟があると強調した。
「最も重要なのはバレンシアとセパン(テスト)の2つだと思う」と彼は説明した。
「バレンシアではまだ完全に準備が整っていないことは承知しているが、2月のここ(セパン)では、ほぼレースで使用するマシンに近い状態になるだろう」
「だからセパンテストで自分が求めるものを手に入れることが極めて重要になる」
クアルタラロは昨年4月に契約を延長し、2026年までチームに留まる予定だが、ヤマハのV4バイクのパフォーマンスは、その後の去就を大きく左右することになる。

