マクラーレンF1はシンガポールGPで起きたアクシデントから、ランド・ノリスにチーム内ペナルティを科すとしていたが、アメリカGPのインシデントを経てその影響は相殺されたようだ。
ノリスはシンガポールGPの1周目にオスカー・ピアストリと接触してしまうシーンがあった。マクラーレンが調査した結果、接触は避けられたと判断され、ノリスにはチーム内で“影響”が生じることとなると明かされていた。
どのような影響なのかは明かされなかったが、これは予選出走順でピアストリに優先権を与えるものだったと見られている。
しかしアメリカGPスプリントで発生したインシデントもあり、そのチーム内ペナルティは撤回されたようだ。
アメリカGPスプリントでは、スタート直後のターン1でピアストリがニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)との接触をキッカケに、ノリスと衝突。マクラーレンは2台ともリタイアという厳しい結果に終わってしまった。
マクラーレンの検証も行なわれたが、ピアストリはこの接触について、ノリスのイン側に入ろうとして位置を変えた際の動きが一因だったと認めている。そしてチームはメキシコシティGPに向けて、ノリスに科していた処分を撤回して白紙の状態で臨むことを決めた。
「チームでは毎週末、レビューを行なうけれど、今回も同じように検証した。スプリントの件については、自分にもある程度の責任があると思う。だから今週末からは、僕ら2人とも白紙の状態でスタートする」とピアストリは語った。
「ただレースをして、どちらが上に行けるかを競うだけだ。ランドに課されていた“制裁”は撤回された。要するに、あのカットバックが決定的だった。いろんな要素が絡んでいるけれど、最終的にはそういう結論になった」
なおピアストリはこの数戦でタイトル争いのリードを一気に削られている。ランキング2番手のノリスとは14ポイント、3番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とは40ポイント差だ。
ピアストリはライバルがより安定した成績を残すようになっていると認めつつも、アプローチは変わらないと指摘。またこれまで積んできたキャリアの中でも2020年のFIA F3や2019年のフォーミュラ・ルノーでのタイトル獲得時に非常に似ていると付け加えた。
「ここ数戦でレッドブルとマックスは確実に調子を取り戻している。今年の序盤にも速い瞬間はあったが、最近はそれが安定してきている」
「今週末も彼らは脅威になると思う。僕たちはマシンの力を最大限引き出して、最終的にどうなるか様子を見てみよう」
「(F3の時と)似ているところがある。でも今、僕はあの時よりも強くなっていると思う」
「フォーミュラ・ルノーの時とも似ているし、ある意味怖いくらい似ている。過去に似たようなプレッシャーの中でタイトルを取ってきたという“証拠”があるのは良いことだ。それを思い出せるのは心強い」
「もちろん過去にできたからといって今年も必ず勝てるという意味じゃない。過去の経験をどう活かすかを考えていくのが良いことだと思うよ」

