「ダウンタウンのコンテンツを独自のプラットフォームで有料配信する新サービス」として告知されていた「DOWNTOWN+」が、いよいよ11月1日にスタートする。
公式SNSがチャンネル内のオリジナル番組「松本教授の笑いの証明」について発表したが、その内容はというと、
〈松本人志が「笑い」を様々な角度から実験・検証し、「笑いの実験」に挑戦する研究所。教授・松本人志と助教授・小峠英二が「未知なる笑いの真実」を見つけるため、さまざまな芸人に実験を課していく。「まだ誰も知らない新たな笑いの可能性」とは何なのか?!〉
松本人志の信者の喜びはもとより、「助教授」に小峠を起用したことへの賛辞が目立つ。
確かに「革ジャンとスキンヘッド」というパンクないで立ちで、キレ気味にツッコむ、ちょい怖な空気を纏いながらも、数々の番組で進行やプレゼンテーションを無難にこなす。「ヒューマングルメンタリー オモウマい店」(日本テレビ系)や「相葉マナブ」(テレビ朝日系)で顔をくしゃくしゃにして笑う小峠の姿には、なかなか好感が持てる。彼ならいい感じでサブ役をこなすだろう。
しかし「教授と助教授」という設定は「とんねるずのみなさんのおかげでした」(フジテレビ系)内のコーナーで、今は特番として不定期で放送されている「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」の「博士と助手」を想起させる。〈「未知なる笑いの真実」を見つけるため、さまざまな芸人に実験を課していく〉というのも「水曜日のダウンタウン」(TBS系)の企画っぽい雰囲気で、既視感がプンプン。〈まだ誰も知らない新たな笑い〉を提供できるかは疑問だ。
疑問ついでに、言いたいことがある。
読売テレビで10月1日から、日本テレビでは10月15日の深夜からスタートした新番組「吉田と粗品と」は、吉田敬(ブラックマヨネーズ)と粗品(霜降り明星)がダブルMCの新番組だ。初回こそ2人のトークに終始したが、2回目の放送から、視聴者から寄せられたお悩みに対し、実際に投稿者と電話を繋いで2人がアドバイス。
吉田が出演番組での発言やエッセイ本で披露する、どこか常人離れした(でも、妙に納得もさせられる)思考でアドバイスするのに対し、粗品は明石家さんまにまで噛みついたあの毒舌を封印して、親身になってなかなかに芯を食ったことを言う。相談者は「目から鱗でした」と感謝していた。
そんな「吉田と粗品と」は、年齢差20歳の2人のやりとりを聞いているだけで面白い。「視聴者のお悩み相談」はなしで、2人のトークだけでも成り立つように思うのだが、それでも深夜のお楽しみがひとつ増えたことが嬉しい。
番組コンセプトからして「新たな笑い」の欠片もないけれど、その喋りだけでちゃんと視聴者を笑わせてくれる吉田と粗品。2人こそ真の芸人だ。
テレビでこれが見られるなら十分。「DOWNTOWN+」に月1100円も課金する必要なし。
(堀江南/テレビソムリエ)

