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可愛くてスキル型アイドル『LarmeR』新曲「ワタシハムテキ」は“かわいい”ムーブへのアンサー曲「可愛いを通り越して無敵になれる」

可愛くてスキル型アイドル『LarmeR』新曲「ワタシハムテキ」は“かわいい”ムーブへのアンサー曲「可愛いを通り越して無敵になれる」

LarmeR
LarmeR / 撮影=宮川朋久

様々な色、形に変化する“水”をコンセプトに、英語歌詞のロックなダンスナンバー、しっとりしたバラード、王道ポップスまで幅広い楽曲を持つ6人組アイドルグループ、LarmeR(ラルメール)。デビューから2年目ながら、多彩な表現力を武器に、アイドルのパフォーマンスは“かわいい”だけではないというパフォーマンスを見せている。メンバーの坂口渚沙、凪乃瑚々奈、七海花菜、牧野りりさ、水川心愛、みのりに、デビューからの努力と葛藤、10月にリリースした1st EP「Lucent」、これから始まる2ndツアーに込めた思いをロングインタビューで聞いた。

■結成から2年の成長と反省、1年以上打ち解けられなかったメンバーも!?

――まずキャプテンの七海さんにお聞きします。2024年1月にデビューしてからもうすぐ丸2年が経ちます。この期間の活動は自分たちにとってどういう時間でしたか?
LarmeR 七海花菜
LarmeR 七海花菜 / 撮影=宮川朋久


七海:やっぱり1年目は探り探り、すいぶん模索していた時期でした。目指したいアイドル像はあるけれど、それになりきれない葛藤をずっと抱えている状態で。でも、そんな中で素の私たちが好きだと言ってくださるファンが増えてきて、それからは無理に形にハマろうとしなくてもいいんだという安心感が生まれました。毎日の活動もどんどん楽しくなって、2年目もそのまま走りましたが、SNSの発信部分ではもうちょっとうまくできなかったかな、というのはありますね。SNSでの注目が大事な時代に、どうLarmeRを発信していけばいいかが分からなくて。SNSでのアプローチというものを、もっと早く見つけられたらよかったなと思います。

――成長できたこと、うまくできなかったこと、色々な気持ちがあると思います。5人はどうですか?

水川:私はアイドルで生きていくと決めて、逆にそれしかできないぐらい視野が狭くて、キャパもなかったので、1年目は本当にテンパっていましたね。2年目はみんなに相談しつつ、自分で考える力もついてきて、自分のよくないところ、いいところにも気づけるようになって、2年目は心境の変化が一番大きかったです。

LarmeR 凪乃瑚々奈
LarmeR 凪乃瑚々奈 / 撮影=宮川朋久

凪乃:たぶん、1年目が模索状態というのは全員同じだったと思います。でも、2年目はもう新人じゃない。LarmeRを見に来てくれるお客さんの目に応えないといけないという気持ちから、自分たち自身がシビアになって、ハングリー精神が生まれた感じはします。

みのり:私はまだずっと悩んでいる感じです。私にはK-POPという明確なアイドル像があったので、そこからかけ離れた日本のアイドルになること自体が挑戦だったんですよ。それこそ日本のアイドルはレスがうまくて、ライブをファンと一緒に盛り上げる力がすごいんです。でも、K-POPのアイドル像は、作り上げてきたパフォーマンスにファンが喜んでくれるというスタイル。レスや煽りは全く考えたことがなくて、今、悩みながらもようやく自分を崩すことができはじめて、新しく作り上げた自分のアイドル像に近づけてきてるんじゃないかなって思います。

LarmeR 牧野りりさ
LarmeR 牧野りりさ / 撮影=宮川朋久

牧野:私はめっちゃ人見知りだったので、みんなに打ち解けるだけで1年以上かかってしまいました(苦笑)。

水川:もう本当に人見知りで、全然しゃべらなかったんですよ。

牧野:ごめん(笑)。自分ってLarmeRの中で何ができるんだろうって、それが分からなくて殻に閉じこもっちゃってました。言うことを間違えないようにしなきゃとかずっと必死で、でもあるとき思ったことをポンと言ったら会場のみんなが笑ってくれて。それから何か掴めた感じがします。

――坂口さんはAKB48で約9年活動してきましたが、LarmeRとしてのスタートはどうでしたか?

坂口:LarmeRとしての坂口渚沙を受け入れてもらえるのか、だいぶ不安でしたね。AKB48で応援してくれていたファンの方は、また応援してくれるのかなって、最初はそういう考えばかりが頭にありました。2年目でようやくLarmeRとしての坂口渚沙が身に染み付いてきて、LarmeRとしての私が好きと言ってくださる方もだんだん増えてきた気がします。アイドルをまた始めた意味をちゃんと考えて、どんどん出てくる課題を超えながら、2年目は頑張ってきたのかな。とにかく思うのは、少人数のグループは大変さが違いますね。

■パフォーマンスはお手本の再現より崩す方が難しい

――LarmeRのステージングはレベルが高く、しっかりトレーニングを積んでいるのが分かります。

みのり:スキル売りじゃないですけど、LarmeRはちゃんと歌えて、ちゃんとダンスができるっていうのを大事にしたくて、レッスンをすごく頑張っています。今は1つ課題があって、ちょっと崩すこと。ダンスってきっちり固めていくより、崩す方が難しいんですよ。LarmeRの色にもっと染め上げていくというか、それが難しくて、大変な課題だと思います。

――もらったものを再現するのではなくて、自分たちでアレンジする感じ?

みのり:アレンジとは違うかも。先生が考えてくださった振りを正確に、綺麗に届けるのが正解だというのは分かっていて、でもそれだけじゃダメなんだっていうのをステージを重ねていくうちに気づいたんですよね。そこに“LarmeRのダンス”っていう表現力を入れていく必要があるんだと思います。

――みのりさんはK-POPがベースにあるように、1人1人の感性は違うものです。その中でどう崩すかは、意見を合わせるのが大変そうです。

七海:レッスンでいうと、本当にみんな、ズバズバ言うようになったよね。

坂口:うん。思ったらすぐに言う(笑)。

七海:最初は「あの…こうだと…思うんだけど…」みたいな感じで。それが今は、「違う! そうじゃない!」「でも私はこうだと思う!」って、すごいぶつかりますね。でも、それがいいと思います。

坂口:みんな自分を貫いている。歌でもちゃんと言えるようになったもんね。「もっとこう歌ってほしい」「ここの声量、歌い方が気になる」とか。
LarmeR 水川心愛
LarmeR 水川心愛 / 撮影=宮川朋久


水川:それこそ曲ごとに自分の表現を見つけようとしていて、人の真似をしないで作り上げています。指摘しあいつつ、理解もして。各々課題を持って個人レッスンもしているので、本当に表現力は広がったなと思います。

――K-POP志向のみのりさんは特にパフォーマンスへのこだわりは強いのではないですか?

みのり:そうですね、LarmeRには「Violet Coral」のように英語歌詞の曲もあるので歌い甲斐があります。だけど、プレッシャーもあります。「みのりはできるから」って、スタッフさんたちからも言われて、嬉しい反面、めちゃくちゃ重い。人に伝えるのが苦手だから、「こう合わせてほしいんだけど」っていうのも、つい強く言っちゃって。うーん、大変です(苦笑)。

■LarmeRのスキルレベルを見るならこの6曲

――「これを見ればLarmeRのパフォーマンス力が分かる!」というMVを挙げてほしいのですが、楽曲の幅が広すぎるので絞るのは難しいと思います。1人1曲、お勧めの曲を挙げてもらえますか。

坂口:1曲目は「Love Live LarmeR!」ですね。自己紹介ソングなので、パフォーマンスが楽しいという以上にメンバーの性格や特徴が分かる入門編です。

水川:2曲目は、「この雫は、海を越える。」。私たちは“国歌”と呼んでいて、私たちが出会ったデビュー曲。パフォーマンスは水をコンセプトにしたLarmeRらしく、ゆったり広がるような表現力を感じてほしいです。

みのり:私は「Violet Coral」かな。英語歌詞で、かわいいアイドルグループと思って見たら、ギャップに圧倒される曲。LarmeRのパフォーマンス力でいったら一番インパクト抜群な一曲です。

水川:格好いい曲の次は明るくポップな曲で、「Hello!New World!」。きゅるきゅるグリーンのすいちゃん(水川)が笑顔でセンターで、キャピキャピに踊っています(笑)。

七海:私は「夏色の輝きに罪はない」。まだMVはないんですけど、「この雫」とはまた別系統の澄んだ曲なので、私たちの歌声に聴き惚れてほしいです。

凪乃:私は「ワタシハムテキ」ですね。1stEPのための新曲でこれもまだMVはないんですけど、とにかくクセ強な一曲です。LarmeRはあまりクセを出さないように、まとまった綺麗さでやってきたのに、急にクセ強。あとでEP紹介のときに話させてください(笑)。

■1stEP「Lucent」、メンバーによる楽曲解説
LarmeR 1st EP「Lucent」
LarmeR 1st EP「Lucent」 / ※提供写真


――では、10月にリリースした1stEP「Lucent」について。どんな収録曲があるのか、それぞれの曲のセンターに聞きたいと思います。まず、「バンバンブーン!~BounceBounceBoom!~」からお願いします。

みのり:はい、みのりのセンター曲です。この曲はもう本当に、スマホで聴くより絶対ライブで聴いてほしい曲です。初披露が7月で、最初はタオル回しだけの煽りだったんですけど、「ここも声出せる、ここも一緒に盛り上がれる」というのがどんどん見つかって、今はパフォーマンスが全く別ものにまでなりました。それこそファンの皆さんと一体で盛り上がる曲なので、絶対ライブに来て聴いてほしいです。

――曲への印象はどうでしたか?

みのり:歌詞に「黄色」「ME」とかの言葉があったから、自分のセンター曲なのかなと思ったんですよ。でも逆に、これは自分にはできないとも思ったんですよね。今まで私がもらったセンター曲は、K-POP風のクールで格好いい系統。スタッフさんからも「みのりは絶対パフォーマンス。ダンスと歌で行くのが一番いい」と言われていたのに、「あれ?」っていう曲が来たから。「これ、自分はどこに行けばいいの?」って、気持ちが迷子になりました。私、明るいキャラクターでもないので不安だったんですけど、だんだんファンの方たちが「みのりちゃんに合ってる曲だよ」と言ってくれるようになって、自分の自信に繋がった曲でもあるし、新しい一面を探し出せた曲で、自分的にはすごく大事な曲になっています。

――次は七海さんのセンター曲「夏色の輝きに罪はない」。

七海:この曲は、ステージに私たちという推しが立ってるのを見ているファン目線の曲で、歌詞がとても綺麗で素敵です。本を読んでいるみたいにストーリーが開いて、初めて聴いても曲がどんどん自分の中に入ってくると思います。初披露のときからファンの方がうんうん頷いているように感じて、いい意味でヤバいなって泣きそうになりました。特にイントロのインパクトがすごくて、エモさが爆発する曲です。

――3曲目の「愛のページ」は、牧野さんがセンターです。

牧野:「愛のページ」は俊龍さんの作詞作曲で、おなじみになった「LINEをやらない!俊龍!!」コールができる楽曲です。LarmeRで初めて日本語のかっこいい曲でもあって、歌詞も大人。それこそ私も「これ、どうしよう」と思ったんですけど、みんなから評判がいいので嬉しいです。自分的に好きなポイントは、ストーリーになっていない歌詞。正解がなくて、色々な捉え方ができるのが面白いです。歌詞はめっちゃ大人で重いんですけどね。振り付けも妖艶で、18歳の最年少がセンターで頑張ります(笑)。

■「ワタシハムテキ」は“かわいい”ムーブへのアンサー曲、無敵になれる自己肯定感爆上げソング
LarmeR LarmeR
LarmeR LarmeR / 撮影=宮川朋久


――4曲目が、凪乃さんのセンター曲「ワタシハムテキ」。作詞作曲は超ときめき♡宣伝部への楽曲提供で有名なMUTEKI DEAD SNAKEさんですね。

凪乃:MUTEKIさんに作っていただいた自己肯定感爆上げソングです。とんでもなくイケてます。自信に満ち溢れた強気な歌詞で、ラップもあって勢いもある。「ワタシハムテキ」「私はナンバーワン」って何度も繰り返すし、言葉を発するだけでこんなに自分が高まっていく曲ってなかなかないぞって聴きながら思いました。SNSで流行らせたい。自信をなくしている方に聴いてほしい。背中を押してあげられる曲なので、この曲を聴いて、みんなが元気になってほしいです。

――坂口さんと水川からは、このEPがLarmeRにとってどんなものなのかを伝えてもらえますか。

坂口:前回のアルバムは北海道出身の私に当てた「ハマナスの道」とか、みのりのセンター曲のロックな「Crazy night Silver moon」とか、自分たちのことを歌った曲が多かったんですよね。「じゃあ、今回のEPは?」と言ったら、主人公は誰でもないんですよ。「夏色の輝きに罪はない」はファンの皆さんだし、「バンバンブーン!」はとにかくタオル回しの曲。「愛のページ」はもはや別の主人公が存在していて、「ワタシハムテキ」はある意味、自分が思ってないぐらいの無敵キャラになっちゃってるっていう。そういうところでも私たちの新しい表現になったEPだなと思います。

水川:自己肯定感の爆上げとか、日本語の格好いい曲とか、このEPはLarmeRにあった隙間を埋めてくれる4曲が収録されています。LarmeRのよさは水のように色々な表現ができることなので、これでまた水の表現が広がったなと思います。アイドルファンの私としては可愛い曲がいっぱい聴きたいなっていう思いもあって、そういうファンの方もたくさんいると思うんですよ。でも、LarmeRはその概念を覆す令和のアイドルになりたくて、このEPはそれにぴったりだなって思います。

――2024年のアイドル業界は“かわいい”がバズった年で、今年もまだそれが続きました。一方、LarmeRは“かわいい”も含めた表現力で戦っているじゃないですか。今の“かわいい”傾倒のアイドル文化に対して、どんな向かい方を考えていますか?

坂口:それでいうと、「ワタシハムテキ」がそれのアンサーかなって思います。スタッフさんからは「可愛いのを通り越して無敵になろうと思ってこの曲を作った」と聞きました。LarmeRは可愛いもいけるけど、パフォーマンスってそれだけじゃないじゃないですか。せっかくのステージなんだから、自分たちの色々な一面を出していきたいです。

■10月19日からセカンドツアー、ファンが喜ぶ演出に注目

――10月19日から6都市を巡るセカンドツアーが始まります。リハーサルでの手応えはどうですか?

坂口:(取材時)今はまだリハを始めたばかりなので手応えを感じる以前に覚えることばかりで大変なんですけど、1つ、ファンの皆さんが喜んでくれるだろうなっていう演出があります。

牧野:前々からやりたかったけどっていうものです。そのおかげで覚えることが増えて大変なことになっています(笑)。

坂口:ツアー名の「Lucent Refraction」は光の屈折という意味ですね。それぞれの場所に行って光を放って、集まった光が最後の東京公演(2026年1月22日、Spotify O-EAST)で1つになって、強い光で照らす。だから1つ1つの公演でしっかり頑張らないと、光は放てないと思っています。で、ファーストツアーは「Roots of LarmeR」というツアー名で、メンバーの故郷を巡ったんですよね。RootsとLarmeRの「R」とを掛けて、みんなのルーツに巻き戻っていくツアーで。今回は逆に「L」から始まって、北海道を除いて地元以外。前回地元からもらった光を今度は外に放っていくというツアーでもあるので、ぜひ初めての方もLarmeRを見に来てほしいです。

――ツアー以外では、今どこでLarmeRに会えますか?

七海:定期公演が10月25日、東京の五反田・GOTANDA G7であって、昼公演が主催対バンライブで、ゲストはマジカル・パンチラインさん。夜公演はLarmeRの単独公演になります。こちらもきっと楽しいライブになるので、ぜひお越しください!

坂口:そして、LarmeRのくだけた楽しい素顔が見られるYouTubeチャンネルもあります。ゲームをしたり、コールのレクチャーをしたり、実家にいるみたいに遊んでいるので、ライブだけでは見えないメンバーを見て、推しを見つけてほしいです。

――“牧野画伯”が誕生した伝説のイラスト王決定戦は注目ですね。

牧野:見なくていいです!

■3年目に向けて、それぞれ何担当?


――最後に3年目に向けて、自分はLarmeRにこういうところで力になりたいという目標を教えてください。
LarmeR LarmeR
LarmeR LarmeR / 撮影=宮川朋久


凪乃:私はパワフル担当?この2年、メンバーたちと過ごしてきて、自分が思っていた正解とは別の正解があるというのをたくさん知りました。そうして吸収したものをグループに活かすとしたら、縁の下で支える役目なのかなって。物理もいけます、力でも支えます(笑)。

牧野:私はみんなから色々言ってもらうことが多いので、私もみんなに言えるぐらいになりたい。

みのり:言い返したい?

牧野:違う違う! 提案できるぐらいになりたいっていう意味で。最年少だからって甘えさせてもらうことが多いんだけど、やっぱり自分からも言いたい。成長して、LarmeRにもファンの方に刺激を与えられる、飽きさせない担当でいきたいです。

水川:私は感情が隠せないタイプで、メンバーにも毎日のように相談したり、褒めたり、注意したり、そういうのを喜怒哀楽の感情で言える人なんです。バカポジティブなので、感情豊かに応援担当でLarmeRを盛り上げたいです。

坂口:え、みんな担当持ってるの? 私めっちゃ普通だから難しいんだけど…。なんだろう、3年目はもっと冷静に物事を見られるようになりたいから冷静担当で…(苦笑)。

みのり:私はあまり自分から前に出るタイプではないけど、みんなに何かあったときは相談を受けられる相手でありたいなって思います。

水川:ケア担当だね!

みのり:じゃあそれで(笑)。

七海:キャプテンの私は船長になります。私の性格でもあるけど、空回りしてる時期もあったので、そろそろちゃんとみんなを引っ張れるようになりたい。LarmeRの頼れるキャプテンになるのが3年目の目標です!

◆取材・文=鈴木康道


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