専門家が評価:多角的な視点から安全性を検証
実際のところ、加熱式たばこのエアロゾルには、ニコチン以外にも様々な化学物質が含まれる。
パネルディスカッションに登壇した、東海大学理学部化学科教授の関根嘉香氏は、従業員のニコチン以外の化学物質への曝露に関する独自のシミュレーション研究を発表。「加熱式たばこ由来の化学物質において、許容レベルを超えるとは考えにくい」と、客観的な実測データを提示した。
労働衛生コンサルタントの小嶋純氏は、「労働衛生工学の分野では、もちろんリスクをゼロにできれば一番ですが、ゼロにできなくても減らすことに価値があると考えます。紙巻たばこから加熱式たばこへの切換えは、健康障害リスクを低減させるうえで有効であると言えます」と、ハーム・リダクションの観点から今回の調査結果を評価した。
今回発表された、加熱式たばこ専用室で働く従業員への影響に関する実証データは、今後の政策議論において重要な材料となるかもしれない。
